第17話とある日の・・・!!
私は、本気になってしまった。
これまではただの遊び感覚で接していたにすぎなかった。
お嬢様の命令ついでのプラス要素でありただの観察対象でしかなかった。
そんな彼が私の頑張っている姿を見てくれてほめてくれた。
たったそれだけなのに私の心臓が破裂するほど高鳴ったのは言うまでもない。
いつもの仕事の延長だ。
小鳥遊ご令嬢の協力のもと私も従業員として紛れ込み講習会に参加するようにと命令された。
いつものことなので私は「かしこまりました」と即返事して違和感のないように近くの店舗従業員を装うことにしたのだが、これがまた大変だった。
さぼるわけにもいかないので従業員たちと同じく作業しなくてはならない。
といってもスープの時はまあ暇だったので本来の仕事を余裕で行うことができた。
材料を鍋に入れて煮込むだけ、材料を切る手伝いくらいであとやることはなかったが、二日目がとても大変だった。
力強く普通以上に弾力のある太郎の生地は手でこねるのが相当力のいる作業でみんな交代しながらの作業となり、汗だくで必死になっていた。
いくらお嬢様の命令だからといってくたくたになるまで麺づくりはさすがにハード。そのあとは彼の様子の報告もしなくてはならず、疲労困憊で心も疲れて気が抜けていたときにあんな言葉をかけられてはもう抗うことは不可能。
この恋が禁断の恋だとしても私は絶対に叶えたいと強く思った。
横をちらりと見るだけで胸がくるしい、この痛みは紛れもなく本物だ。
彼の言葉がいまでも頭の中に響いている、どうしてあの時録音しておかなかったのだと昔の自分にドロップキックしてやりたい気持ちでいっぱいだった。
お嬢様の許嫁だろうが関係ない、私も彼のお嫁さんにしてもらわなければならない。
積極的にアプローチをして彼に夢中になってもらわなければと私は早速同僚にメッセージを飛ばした。
昼に間に合うようにお弁当を用意してほしいとメッセージを受け取った同僚が作ってきたのは高級食材の詰まった重箱だった・・・。
これで彼のハートはイチコロよとお嬢様のメッセージ付き重箱が届いた。
お嬢様高級食材を詰め込めさえすれば、胃袋をつかめるというのは勘違いですよ。
私はああ、ちょっと頼み方を間違えたのかもしれないと頭を抱えたがこれで勝負をかけるしかないと昼の決戦へと挑んだのだった。
******
兄から卑猥な画像が送信されてきたら皆さんどうしますか?
バラの花びらが浮いたお風呂に入った写真やバスローブ一枚でグラスを傾けているというグラビアっぽい写真が突然送られて私の心臓が飛び出そうになり錯乱した私がグルチャに送った発言なのである。
ユッキー:その卑猥な写真送ってくれないと判断できないなぁ。
ともちぃ:私はもう全裸で待機してるんだから風邪ひく前に早く!
ミホ:私だけにこっそり送ってきてもいいんだよ?
みんなに相談した私がバカでした。
朋美が風邪ひかないように祈ることにしておこう。
これは兄にお説教だ!とおもったが間違って消さないようにパス付フォルダーに保管しなくてはといそいそ写真を移動するその間もグルチャではくだらない会話が送信されているがフルシカトで対応した。
はぁ、兄のせいで顔が真っ赤になってしまったので久しぶりにアイスを食べることにした。
兄が常時何かしらのボックスアイスを買っているため冷凍室はアイスがいっぱい詰め込まれている。
パリパリくんというシャリシャリイチゴアイスにパリパリチョコをコーティングしたアイスを食べながら
私はユッキーがおすすめだという深夜アニメを視聴していた。
少年が宇宙からやっていた謎のマスコットと契約して魔法少年として宇宙犯罪者と闘うというものである。
魔法少年が犯罪者に追い詰められてビリビリに破けた衣装や苦痛に歪む姿をみて楽しむ玄人向けアニメか。
という感想を抱いた、全部視聴したがあまり好みのアニメではなかった。
今期の私の一押しは、”婚約破棄されましたがどうやら幸せに暮らせるようです”だ!
追放系というジャンルの人気作である。
ジルデール王国のリディエル姫に突然好きな人ができたと婚約破棄された侯爵家の長男アルフレットが自暴自棄になり傷心旅にでかけ、そこで出会った身分を隠して街を遊びまわっていた他国のお姫様と出会い結ばれる話である。
流行りと王道だがそれがいい。
最初に二人が出会うシーンなんて胸キュンものである。
あとからリディエルが復縁するようにせまってくるのを断るシーンもスカッとしてたまらない。
あっそういえば兄にお説教するの忘れてた!私はいそいそとメッセージを送るのだった。
***
またお前かぁ!!新垣仁美ぃ!セクハラを注意してしばらくおとなしくなったと思えば!隣の席だからって調子に乗るんじゃない!!
購買からパンを購入した清浦琴音が友人から知らされたのは
新垣仁美が彼を誘ってランチ♪未遂事件を起こしたという驚愕の事実だった。
誘われるならまだしもランチに誘うのはギルティーに値するのだ。
そう、女子から誘ってはいけないのは暗黙のルールである。
別に声をかけるチャンスがないから妬んでいるというわけでもない。
これは男子生徒に安心した学校生活を送ってもらうために設けられたルール。
だれかが約束を破れば、雪崩のようにルールが崩壊してしまうので厳しく罰を与えなければならないのだ。
それが学級委員長たる責務。
このように厳しい態度を学校で見せるので圧倒的男子からの好感度が低いNo1に輝く不遇委員である。
だから彼がいないときに私は全力で一気に片をつけるという方法を編み出した。
今日も全力で不埒物を狩る!クラスの平和は私が守る!!
清浦琴音は今日もがんばるのでした。
*********************************************************
感想や応援、評価の★3レビュー等ご協力お願いします!
やる気がUPします!
この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます