第18話???
素人が考えたラーメンに、ボーイズグループがコメントし翌日の昼前に国民的アイドルがお忍び訪問する奇跡が起きるだろうか。
それをテレビのマスコミが取り上げCMを流さずに自然にも新商品を宣伝ができた。
SNSで注目を浴びて、テレビの報道にものる昨夜出たばかりの新しい商品がだ。
元々、流行りのラーメンの火付け役で知名度はあったが口コミでじわじわと広がっていく程度だ。
だが今回はちがう、導火線に火がつけられたわけではない。
燃え盛る炎の中に直接爆弾を放り込んだにちかい。
そんな爆発的な連鎖が自然に起こることは―――。
彼が全く新しいラーメンを作っているという話を聴かされたのは、友人である小鳥遊小鳥からだった。
初めは、私の婿殿と食事をして車に乗せてどこへ行くつもりだと軽く尋問したかったのだが、その新しいラーメンとやらに興味がわいた。
当然ながら、小鳥には協力してもらうとして、他にも協力してもらわなくては、彼女の作る表情はとても蠱惑的であり、誰かが見てしまえばその場で腰を抜かしていただろう。
彼女は2台のスマホを両手で操作し、メッセージを送りながら通話に相手が出るのを待った。
「ねぇ、あなた。いま時間空いてるでしょ。」
「はっ!はい、空いてます、全然忙しくありません。」
通話相手はいつも手が空いてるので大変助かっている。
「ほんと!よかったわ。実はお願いしたいことがあるの。いいかしら。」
「何なりとお申し付けください!!」
彼女の通話はとても一方的だ。
それでも快く相手が聞いてくれるのだからそれが普通のことなのだろうと彼女のリズムで行動している。
送ったメッセージはもちろん双方即帰ってきているのでチラ見したら即メッセージを返信している。
「ほぅ。」
どうやら、ことがうまく運ぶようだ、彼女は右足で2回ほど床を軽くたたく
「お嬢様およびでしょうか。」
有能メイドが間髪挟まずに部屋へ入室した。
「あら、今日は早いわね」
「もちろんでございます。」
「あら、それが食べたかったの。気が利くわね。」
彼女はバニラアイスを一口だけ口に含み器を新垣仁美へと渡す。
それから自分が頼んだことがうまく機能したかの確認を新垣仁美にまかせると隠し撮りしたであろう写真にキスをして、いくつかの書類を手に寝室へと向かっていった。
FiveStormは、今一番SNSで人気のボーイズアイドルだ。
企画動画の配信、定期的なファンからの質問にも答え、生放送もしている。
翌日は生放送配信予定がないはずなのだが――。
公式SNSが生配信の告知をした。
ファンは、反応しすぐにトレンドは”five”でにぎわっていた。
どうしたの!緊急発表?まさかの新曲!?などと一部のファンは大騒ぎだった。
中川店長は、休日のバイトを呼び出して試食会をしていたのだが、お嬢様からのメッセージを見て驚いた。
スナグラ用の太郎の写真を明日までにアップするようにと強い命令口調だったことからこれは一番やばい奴なのだと直感がそう告げていた。
つまりこれから盛り付けの構図をある程度考え、佐々木さんから映える太郎の盛り付けを伝授してもらい営業中にアップしなければならないということらしい。
中川店長はバイトに明日は地獄になるだろうと軽く伝えたほうが良いかと思ったが止めることにした。
頑張ってねバイトのみんな、そして明日の私頑張れ。
中川店長が地獄のような混雑する店をバイトに任せて、太郎の盛り付けをして構図に手こずりながらもスナグラアップ用の写真を苦労して上げていた頃。
FiveStormの生放送が始まった。
今日は、松下純と田中一也の二人の出演だ。
唐突な質問回答コーナーということでファンがめちゃくちゃ興奮していた。
好きなラーメンは何ですか?私は今流行りのコンニャク麺のラーメンが好きですという質問にFiveStormの松村純は、
「僕もあの有名な店でたべたことあるんですよ」
とスマホを操作してそのラーメン屋のスナグラに飛んだ。
スマホの画面はワイプで表示されているので当然画面には、ドドンと迫力のある太郎が映し出されていた。
「うわぁっ、なにこれ!めっちゃうまそうなラーメンあるじゃん!」
これは、松下純の純粋な言葉であり台本などはとくに用意されていなかった。
番組内でいいねとリグラムしてコメントを残すと、
「僕の好きなラーメンはこれですね」と質問に答えていた。
生配信でそんなことがあったわけでファンもいいねとリグラムとコメントをこぞって行ったために、スナグラの太郎写真はあっというまにバズってしまった。
突如大量のコメントが一気に投下されたので、コメント管理していた渡辺さんは一人で発狂していたという。
見たこともない迫力のあるラーメンが印象に残った田中一也は、ラーメン好きの先輩に先ほどの店の写真を送った。
「一也くん、お疲れ様、何この写真?どこの店?ねぇ!」
とメッセージが送られたそばから着信だ。
「お疲れ様です。真吾くんにすぐお店のURL送ろうしたのですが、今話してますし。」
「一也くん、ラーメン屋の情報送ってよ、うーん、明日空あるかな。」
「すぐ、行くんですか?」
「あんな写真みたら食べに行かないとっておもうからね。一也くんはいかないの?行くでしょ?」
「あっ。はい、ご一緒させていただきます。」
「あー、明日昼前ならすこし空いてるから食べに行こう!じゃあ、また連絡するね!」
多分暇なメンバーに声かけまくっていくんだろうなぁ・・・。
ちょっとマネージャーに連絡してラーメン食べに行く予定空けてもらわないと・・・。
田中一也は、マネジャーに連絡をするのだった。
お忍びというには人数が多すぎた。
STEPのメンバーとFiveStormの一部という豪華メンバーでさらにグループの研修生もつれてあらわれたものだから、店中がパニック寸前。
中川店長は昼はそんなに太郎売れないだろうと麺をあまり用意していなかったところの衝撃だった。
失神する客に店内に雪崩れ込もうとする人というカオスをどう乗り切るかそれが重要だった・・・。
今年最高の修羅場を乗り切った中川店長は一日の体力を消耗したため、お嬢様へ連絡して昼の部は早めに終わることになった。
といっても、休憩ばかりはしていられない、夜の部のほうが忙しいので麺づくりやスープの仕込みなどやることは山ほどある。
どれもこれも、太郎という魅惑の麺が人々を狂わせているとしか思えない出来事だった。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
そろそろ太郎編も終わり・・・。
多分太郎でもっとかけるけど十分長いしこの辺が辞め時かなぁ。
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