第14話スープ編

残念ながら野球ドームはないが、コンサートドームはある。

野球観戦よりもコンサート観戦がメジャーなのだ。

そもそも野球はドマイナースポーツだからね。

道具、人数、そして広い敷地が必要なスポーツなんて流行らない。


コンサート会場にずらりと並ぶ調理器具と食材そして女性が多い!

まるでコンサート会場のような女性の多さって・・・ここがコンサート会場じゃん!

全国のスタッフを呼びつけたのでなるようになったとしかいえない。


それにしても、小鳥遊グループスタッフという割には、どこかで見たことがある女性がいるんだけど、隣の席の小悪魔ちゃんこと新垣仁美さんそこでなにしてるんですか!?と気になることがありつつも僕はUSBをスタッフに渡してステージに立つことになった。

こんな大勢の前で話すなんて緊張してしまう。

だが僕には熱い太郎ソウルがある!僕は緊張に負けない!

ラーメン太郎とはから始まり太郎道を熱く語りつつも、時間はないだろうから早速調理の話へ移っていく。


最前列の野口君は一生懸命メモしてるんだけど、家太郎でもするのかな?

まずは製麺はその日の湿度に合わせて水分を調整するが、それは手の感覚で覚えるのでひたすら製麺するしかない。

湿度計を置いて記録しておくといいかもしれない。

スープはつぎ足すことでうまみが濃縮される。

メイン寸胴鍋にサブ寸胴鍋のスープをつぎ足しながら新しいスープを用意するとよいなど話した。


店のオリジナリティーを出すのはもちろん賛成だ。

例えば豚のゲンコツオンリーだけで作ったスープとでは味が全然ちがう。

その店舗でしか味わえないオリジナル太郎をだすことにより、一店舗ごとに特徴があり全国店へ巡って味わいたいという客も現れるはずだ。


基本ゲンコツのみ香味野菜なし太郎オリジンと、現在出している僕オリジナル太郎を事前に作ってもらっていた。

温めたスープにもやしと少量のスープの小皿が全員に回される。

配膳するだけでかなりの時間がかかるがスタッフ一同協力して早く終わらせた。

2種類の太郎を配られてどちらがおいしいか挙手投票を行ったが圧倒的に僕オリジナル太郎が圧勝だった。

まあ、野口君はオリジンのほうが好きみたいだったけど。

ということで、玄人受けするオリジンよりは香味野菜や鳥出汁でうまみを引き出す僕オリジナル太郎をベースに作ろうということになった。


まあ、香味油は企業秘密なので各店舗頑張ってくださいである。

後は各店舗の仕込みタイムであるわからない箇所などあれば質問する形式であるが、さすがに各調理場を回りながら対応は広すぎてむりである。

どこかの企業が開発したAI制御式のローラーシューズにより歩行に合わせてローラーが回転するのであまり疲れることなく広い会場を歩き回れる。

こういう平らなところでしか使えない便利グッズは町中で使えないのでこういった広大な施設を歩くために使うという乗り物チックな運用をされる。

電動キックボードなどオフロードを走るものではない、少しの段差で転倒の危険性は高くスピードが出ても自分で調整できる自転車のほうがまだ安全だろう。


基本ゲンコツと鳥ガラモミジは好きに入れていいし、背油も好きなだけやっちゃえって感じだ。鳥ガラベースに豚ゲンコツを入れる店舗だったりいろんなスープがあって面白い。


今までの築き上げてきたであろうヘルシーでエコロジーなオーガニックラーメンは油と糖の暴力により破壊されたのだった。

各店舗ごとにできたスープを並べ味見していく。

その味見には野口君も参加するんだね・・・。

にっこにこの野口君と僕と中川店長は採点用紙を片手にスープに挑む。

講習はしたし失敗がない限り・・・。

とか思っていたら何店舗かおかしなスープを作っていた店舗があった。

鳥メインに昆布とカツオでだしを取りました!とか味噌味に!とかだった。

太郎は豚出汁醤油って決まってるんだよ!!!舐めてんのかゴラァ!!

豚骨じゃねぇ!豚汁だぁ!!ベースを変えるな!別もんじゃねーかぁ!

僕はもちろんだが中川店長も野口くんでさえもぷんぷんだった。

その店舗の店長は即降格になるのだから、野口様パワー恐ろしい。

一波乱あったが無事各店舗太郎スープを作ることができたので

1日目はうまくいったといえよう、2日目ってなにするの?

と思いながら僕は近くの高級ホテルで宿泊することになった。

普通に帰ろうと思ったんだけど、どうやら高級ホテルを用意してくれていたみたいなのでご厚意に甘えさせてもらおうというわけだ。

至れり尽くせりである。

せっかくなので写真を撮るついでに妹に自慢しよう!と思ったら興が乗った。

小道具を用意したりバスローブを身にまとったりとゴージャスさをアピッたりと

いろいろな構図で写真を撮って送り付けた。

というかアメニティーが豪華すぎる普通に高級フルーツがテーブルに置いてあるしでお風呂にはバラの花びら入りのバスボールなど物凄いゴージャス感である。

冷蔵庫じゃなくてワインクーラーもある。

うーん、凄い!凄すぎる。あまりにもはしゃぎ過ぎて疲れたし飽きたので妹の返信も待たぬまま爆睡した。

2日目?まじでなにやるのさ。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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