第10話マラソン大会
学校行事にはマラソン大会というものがある。
大会といっても3組合同体育でマラソンするというものでそんなに大げさなものではない。
女子は3km男子は1.5km走るというものだった。
春初めに行われる体力をつけるぞ的な感じのイベントだ。
だが、ここ数年男子の参加者は不在である。
学校の外周を走るのでコースは近所の人なら十分把握できる。
1kmも走ればバテバテで全力で追いかけてくる女性から逃げきれないだろうという危機感で男性は辞退している。
昼間なのに襲う女子がいるの!?どんな治安だよ!と思うかもしれないがそれくらい危機感を抱いているのが男子というものである。
そんな危機感すらないあほが一人マラソン大会に参加したので学校はとてもざわついていた。
普段なら女子が始めにスタートして数分遅れて男子がスタートするという順番になっている、問題は先にスタートした女子の待ち伏せだ。
学校外周といってもご休憩ポイントが何か所かあり、集団で男子を取り囲みご休憩ポイントでしっぽり事件も起きたくらい。
なら中止にしろよと言いたくもなるが、マラソンって健康的だし、やめられないよね・・・。
ということで今回は僕が一番初めにスタートして遅れて女子がスタートという順番になった。教師は3分遅れスタートでは問題が起こってしまうと会議して1分延長にしたようだが、会議する意味あるの的な加算時間だった。
目の前に人参ぶら下げて大会タイムを縮めようとする秘策かな?
教師が男子を先導すればいいんじゃね?って思ったソコのあなた!
一番危ないのはその教師であることを忘れてはいけない。
穢れを知らないうら若き男子高校生が、自分の後を追いかけてるシチュに興奮してしまう教師に襲われた事件が多発。
教師の先導が廃止にされた苦い過去があるのだ。
教師はガチだからこそ危険な人物といえよう。
珍しく妹が休み時間に自分のクラスを訪ねてくるほどの事態らしい。
「お兄ちゃん!なにやってるの!早く先生に言って参加辞退してきなさい」
「えー、いいだろ。ちょろーっと外を走ってくるだけなんだし」
!?
クラスの女子が僕たち二人の会話にすごく聞き耳を立てて聞いている。
あー、周りの女子が話を聞こうとしてるもんだから僕は妹に手招きした。
妹は頭に?でも浮かんでそうな顔をして近づくので腕をグイっと引っ張り顔を近づけることに成功した。
突然のことで驚いている妹に耳打ち。
「1.5kmは大体8分あれば完走できるんだから、4分ハンデがある女子は僕に追いつけないよ」と
妹は顔を真っ赤にして「もう知らない!」と怒って自分のクラスに帰っていった。
なんてこったい!どこに怒る要素が!?
不機嫌な妹の機嫌を直す方法を検索しないと!
僕がスマホで検索している間、クラスは少しざわついていたのだった。
ちなみに不機嫌な妹の機嫌を直す方法は載っていなかったが、不機嫌な弟の機嫌をとる方法はいっぱい載っていた。うむ、弟くんはいつも不機嫌らしい。
お昼前がマラソン大会ということで腹が減っているのに持久走とか勘弁してほしいところだ。
もちろん、体育の時は体操着だが男性専用更衣室で着替える決まりとなっている。
学生服の下に体操着を装備している僕としてはクラスで着替えても問題なさそうだけど・・・。
まあ、制服を脱いでハンガーにかけるだけだがやっておくか。
ロッカーと更衣室のカギは今日は自分で管理しなければならないのか。
学校には今僕が持っている鍵しかないのでなくしたら大変である。
教師に預かってもらうが一番ない選択なので仕方がない保健室の野口君にでも預かってもらおう。
野口君は僕のお願いを快く聞いてくれた、さすが野口さまですわ。
野口君をみて昨晩のグルチャの出来事を思い出してしまった。
野口君がSNSのURLを張り付けてきた。
ああ、この世界で流行ってる写真や動画中心のSNSで、スナグラというやつだ。
そこにはうまそうな太郎全増し辛揚げマヨトッピングの画像がアップされていた。
だれだそんな太郎常連みたいな頼み方してけしからん!という画像だ。
このボリュームからして大豚全マシマシマヨ辛揚げトッピングだろう。
どうやら中川店長のラーメン屋公式アカウントらしく、今まで上品なラーメンがいきなりジャンクで暴力的なラーメンに変わっていて、なんだこれ落差すげーと盛り上がり、今度あれ食いに行くかとみんなで盛り上がったことを思い出してしまったではないか!
他の写真は少しのコメントしかなかったが、太郎だけめちゃくちゃコメントが付いていた。
しかも、ボーイズアイドルからのコメントがピン止めされていて、異常なバズり具合の元がそのコメントだというのだ。
さすがロリロリお嬢様の手腕はちがうねー、そういえば僕の許嫁ってなんの大企業の令嬢なんだろう。
まあ、会う気がないからいいか。
下手にあってしまうと高校卒業と同時に結婚させられそうで怖いからね。
おっと!休み時間が終わってしまう!僕は保健室組のみんなに挨拶して次の授業に遅れないように校庭へと向かうのであった。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
ストック作るはずが昨日放出したので、ストック零!生活はっじまーるよー。
教師は男子生徒と接する機会がほかよりあるはずなのに、なぜかハーレムメンバーになれないという生殺し不人気職それが教師である。
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