第6話とある日の・・・。
「なぁ!新垣あんた隣の席だからって調子のってんじゃねぇよ!」
響き渡る怒号にひり付く空気。
クラスのリーダークインビーこと清浦琴音と新垣仁美はにらみ合っていた。
「え?なに、もしかして私に嫉妬してるわけ?隣なんだし別によくね?」
「あ゛ぁん!」
新垣仁美にとって言わば悪ふざけの延長にある行為でもあり、彼女的にはじゃれ合い程度だ。
そんなことでいちいちブチギレられては堪ったものではない。
「てめぇが、ちょっかいかけたせいで佐々木くんが不登校になったらどう責任とるんだよ!!」
唯一クラスで授業を受けてくれる貴重な男性をこともあろうにこの女は初日にやらかしたのだ。
許せない気持ちと嫉妬心が入り混じった複雑な感情が混ざり合いその怒気は静寂な放課後を一変させた。
両者とも引かずのにらみ合いが継続しながらじりじりと間を詰めていく。
怒りに任せた行動かと思えば冷静な清浦琴音の足運びをみて若干焦りつつも優位にたとうと足を動かす新垣仁美の熾烈な戦いがそこにあった。
それはとある放課後の出来事、キャットファイトと呼べないくらいのすさまじき攻防戦は佐々木努の知らぬ間に決着が付き
禁断の授業お触りプレイは無事に封印指定となったのでした。
佐々木望海は知っている。
女子はラッキースケベな展開を期待したり、体育倉庫に閉じ込められたい願望を抱いていることを。
異母兄妹の兄とそういう関係になろうなんて現時点では思ってもいないし、兄が自分を見るその目線が欲望に満ちたそれに感じることがあるのだが、
気のせいだろうかと思うことがある。
まさか、兄が妹に劣情を催すことは常識的に考えにくい。
男というものは性に疎くギラギラした猛禽類にとっては格好の餌になってしまうような存在なのだ。
兄に優しい声をかけられただけでキュン死してしまうような耐性のない女子はわりと多い。
おはようの挨拶だけで想像妊娠してしまうほどの威力なのだから、迂闊に声をかけてはいけないのである。
勘違いを産まないためにも兄には耳にタコができるほどに言い聞かせてはいるが、聞いているのか聞いてないのかよくわからない返事ばかりするので困っている。
意外と活動的な兄は目を離すとすぐどこかへ行ってしまうのだから困ったものだ。
暗くなれば襲われる危険性もあり、暗くなる前には帰宅するように言ってるのに聞いてくれないのが悩みの種。
そしてもう一つ悩みの種は・・・。
ヒュポッ
メッセージアプリでトークが受信された音が聞こえる。
ユッキー:ねぇ、のぞのぞ!早くお兄さん紹介してよ。
ともちぃ:ずるーい、私にも紹介してー
ミホ:私も―私も―
一応仲良しでグルチャをつくったのだけど、なぜ私が兄を紹介しなければならないのかわけがわからないよ。
こういうメッセ―ジのやり取りは望んでないんだけどなぁ。
そう私の悩みは友人が兄を紹介しろとうるさいことであった。
私に兄がいることは知っていたけどそんなでもなかったのに、兄が教室で授業を受けているからこうなってしまったのだ。
ほかの男子みたいに保健室に避難していれば友人が変な希望を抱かずに済んだのに、兄が教室で授業を受けたばかりにチャンスがあるのでは・・
とざわついてしまったようだ。
朝露が葉を濡らし集まり水滴となる、池の水を揺らす波紋をつくりそれが次第に大きくなり周囲に影響を及ぼすがごとく
私の学年はざわついているのです・・・。
みんなネットで見るアイドルより、実際近くにいて話せてもしかして付き合えるかもしれない身近な男性のほうが絶対良いに決まっている。
それができないから、アイドルで我慢している。
男性は海外旅行禁止だし、まあ当然だけどだから海外のアイドルは現地に行かないと応援できない。
ネット環境でもライブは見られるけどやはり生のライブとなると国内のボーイズグループのファンになったほうが幸福度が高い。
私はどちらかというと2次元派なのでボーイズゲームやコミックなどにはまっている。
過激な服装特にへそチラして割れている腹筋が見れるイベントCGは生唾ごっくんである。
最近ではブリーフやトランクスといった下着までいろいろ種類が増えたりと充実が止まらない
バカゲーと呼ばれるゲームにはそういうこだわりの詰まった作品が多く私は買いだと思っている。
声優やアイドルは20過ぎれば魔法が切れてしまうが2次元は私を裏切らない!!
(まあ、声優交代とかそういうのあるけど、気にしてたら身が持たないし別に私声専じゃないから、そういうのどうでもいい派なんだけど)
深夜アニメは規制が厳しくなって昔の作品よりマイルドになっている。
なんでも男性がうっかり見てしまいトラウマになったらどうしてくれるという過激派の苦情のせいである。
アニメ以外の媒体は露出度が高いというのにどうしてアニメばかりが標的にされるのかと悲しくもある。
すごいマニアックなジャンルにBLという男同士の恋愛を描いた禁断な作品があるけれど、ちょっとでもSNSで人目に触れてしまえば炎上の大騒ぎとなり、同人作家といえども筆を折らざる負えなくなるほど....で済まされるはずもなく、社会的に痛めつけられる事件まで発展したほど。
小さな同人イベントで見かける激レアジャンル。
どうして私が知っているかというと、たまたま会場で見つけて所持しているからだ。
これは家族にばれたら社会的に殺されるやつなので厳重に保管してあります。
あっ!玄関の開く音が聞こえる。
またこんなに遅く帰ってきて!お兄ちゃんばかぁ!!
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
あとがき的な部分を挿入し忘れてました。
本文は何も変更されてません。
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