第4話許嫁

許嫁というのは幼少のころに親が勝手に決めた的な結婚相手のことだ。

「鈴木君その、許嫁ってどうやって決まるの?」

「ああ、大企業や政府関係者の娘が優先される闇の深い抽選で選ばれるんだけどね・・・。」

一瞬闇堕ちしかけた目をしたけど何事だ!

「鈴木君!?」

「僕の許嫁が、その与党のしかも職のある議員の孫娘と聞かされた日には・・。」

「うげぇ、それはまた大変そうな相手と結婚が決まっているのか・・・。」

「しかも、毎回会うとき高級料亭だから食事した気がしないし、何話したのかも正直覚えてない。」

朝っぱらから胃が痛くなりそうな話を聞いてしまったぜ

「え?佐々木君は?」

「僕はよくしらないんだよね、ほんと相手が知らないものだからどうしようもないかんじ。」

くそ、父さんにメッセージで僕の許嫁はどういう人か聞き出さないとこれ重要!!


僕はスマホを操作して父さんに早速聞くことにした。


僕:そういえば、僕の許嫁ってどういう人?

父:朝から余裕だな?今家にいるとかじゃないよな?

僕:もう登校中でもうすぐ学校につきますから遅刻はしません。

父:そうか、お前の許嫁はある大企業の娘さんだ。一度会ってみるか?

僕:遠慮させていただきます。


ふー、政治家ガチャから外れたけど大企業だったとは、ご令嬢フラグが立っていたとはびっくりだ。

「鈴木君、僕の許嫁って大企業の娘さんだってさ。」

何その目!?なんでそんな目で僕をみるの!

「へぇ、いいなぁ。大企業はあたりって言われてるし」

「何その当たりはずれどこ情報なの!?」

なんでも裏掲示板と呼ばれているサイトがあるようだまあURLとパス教えてもらったけど。

そこでどこの許嫁があたりかみたいなランクが発表されているらしい。

「ところでなんで政治家ははずれなの?」

「なんでって、選挙に出馬しなくちゃいけないからだよ。だから卒業と同時に結婚も決まってるし。」

鈴木君のその瞳はドス暗い水の底のような輝きをしていた。

「うわぁ・・・。」

「次に大変なのが芸能人だって。」

「なんかわかる気がする」

「すごいわがままに振り回されたり、マスコミに追い掛け回されたり大変らしいよ」

「うんうん、そうだよねー。」


僕たちは許嫁ランキングの話題で盛り上がった。

下駄箱から落ちる紙束、あっ妹いないじゃん!

とりあえず回収して妹の下駄箱へシュート!

後でお叱りメールが飛んできそうだけどまあ仕方ない甘んじて受けようじゃないか

教室へ直行はせず保健室へ寄って男子生徒と仲良くなった。

グループチャットに招待されたので適当に会話しておこう。

ということでHRが始まる前には教室へ向かい自席についた。

今日も全授業教科書を忘れる新垣さんのお触り授業が始まるのか、おら楽しみでわくわくしてきた!

と思えばせっかく楽しみにしていた授業は新垣さんが真面目に教科書を持参していたので何も起こらなかった。


どういうことだってばよ!

味気ない授業をあくびを押し殺してなんとか受けて、昼休みは保健室でみんなと飯を食べる。

こいつらエロい話できない男たちなんだよなぁ・・・。


下ネタで盛り上がりたいお年頃だったのだが、なんとも味気ない会話が続くのである。

今どきの男子生徒で流行っているのは、とある歌姫の話など芸能人関係が多い。


お笑い芸人という職業はちょっとの時間の隙間を埋めるための便利屋扱いであるが男性陣にとっては笑えない話をするので好感度が低い。


動画配信者ネタになると好きなジャンルが別なのであまり会話が続かない。

週刊少年誌の回し読みとかあったが、週刊少年誌の立ち位置は結構微妙らしい。

読者数が少ない男性をターゲットにした商売は難しく結局男女兼用商品として売り出すのがやっとという感じなので中身がほぼ女性漫画である。


水着なんて糞ダサいハーフ袖ハーフパンツな長さのウエットスーツみたいな水着だ。

男性が上半身をさらすのは破廉恥なので禁止。

男女ともにそんな水着である。

学校外でもそんなのが流行っているのだからデザインが比較的にダサい。

女性は男性にもてる必要がないのでファッションがあまり発展せず、男性の服はちょっとおかしな方向へ尖がっているが基本スーツや制服っぽいものが多く、清楚系スタイルがブームらしい・・・。清楚系とは・・・。


基本的に男性がいる家庭は政府から援助金がでるので貧乏にはならない。

学費は無料だし・・・。

男子が多くいるというだけで女子が入学するので無料でもお釣りかでるほどなので私立は男性入学に熱心である。


大企業や金持ちと家族なのでまあスキャンダラスなことしなければ体を売る必要はないわけだ。

まれに一部そういう男性はいるがそんな男性はアイドルグループやボーイズバー等で働いているらしい。

まあネット情報の受け売りだけどね。

ということで男性の娯楽は種類が限られているので、男たちの話題というのはなんとも味気ないものしかなかったのだった・・・。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。


政府によってえらばれる闇抽選許嫁ガチャ

大企業や政治家などもあるけど容姿の問題も。

嫁さんが多い男性というのはそういうことなのかもしれない。

お稽古でニュースの話題や天気の話で切り抜けましょうということなので、

一言二言はなしてあと黙っているのに限るということなのだ。

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