人間観察
校長室にて…コンコン…
光山「どうぞ~」
大村「失礼します!」一礼すると
「校長先生お願いします』と言いながらも辞表を提出してきた
光山『判りました…一応こちらはお預りします、ただし以前もお伝えしましたが焦らずじっくりと考えて結論を出して下さい
今後のあなたの人生なのですから、
すみませんが樫木さんと教頭先生呼んできていただけますか?』
大村『判りました失礼します』と再び一礼して校長室を後にした
それから30分後…校長室にて
樫木『失礼します』一礼して入ってくる
国枝『失礼します、校長先生お呼びでしょうか?』
光山『忙しい時にすみません
少し伺いたい事と確認したい事がありましてね、単刀直入に申し上げますが大村先生と交際されていますね!正直に答えて下さい』
少し考えて樫木は答えた…
樫木『はい‼その話は事実です』
国枝『何という事が、現実にあるなんて今後はどうしたら良いのでしょうか?』
光山『焦っても仕方がないことでしょう
国枝先生あなたは管理職であり教頭なのですからもう少しドーンと構えてください
上に立つもの人生預かりし者って言葉があるじゃないですか、率直にいってこういった事がない方が不思議かと思いますけどね人を好きになるのに年齢や理由は必要なのでしょうか?それは自由だと思いますよ』
国枝『いやしかしですね』
光山『しかしも何もありません‼先程大村先生にも確認しましたけれども正直に認めましたよ、通っていた塾で知り合ったそうですね』
樫木『はい‼初めは正直に取っ付きにくい人でやりにくいなぁ~と思っていたのですが、自分のペースで焦らず少しずつで良いんだよその一言で段々と先生の事を意識し始めたのです』
光山…(心の声)率直に言って樫木という生徒は大人しく良くも悪くも普通の子と言うのが皆一致した考えだったのでここまではっきりと言葉を紡ぐ様に答えたのは以外だった
『ならば伺いますが、あなたは大村先生のために全てを捨てて、全てを失っても一緒になりますか?全てというのはご家族や友人や知人も夢もという意味です、その覚悟はありますか?じっくりと考えて答えを出して下さいあまり急ぎはしませんが、可能ならばなるべく早めにお願いします』
少し驚いた様な表情で
樫木『判りました…少し考えてみます…失礼します‼』と一礼して校長室を退室していった
国枝『校長先生考えが甘いですよ!
教師と生徒の恋愛なんて言語道断です
早急に大村先生の後任を探さなければなりませんね、樫木さんもどうして大村先生だったのでしょうね~このままでは下手したら自分も退学でしすし』
光山『教頭先生、あなたは人を好きになるのに職業は関係しますか?全く関係ないとは言いませんが、異質な者は排除せよというのはいかがなものかと学校教育は人間を育て、その後の社会人や新たな学問に送り出すための準備をする場所のはずです
観見二眼(かんけんにがん)を怠るなかれですよ
私の仕事は人を見る事と心を読む事とそして人を育てる事、
それは国枝先生あなたも当然含まれている事をお忘れなく
学力だけではなく人間として育てていく、
いうならば人間力の基礎と応用とでも申しましょうか学校という場所はそうでなければならないはずです!
それができないのならば学校教育は破綻するのでしょう
意外と問題は見えない所で起きているものですよ
なぜ私が授業中や休憩時間に廊下から生徒達を見ているとお思いですか?
生徒や先生方の心を見たいからですよ
わずかな変化を見逃すと大変な事が起きるかもしれませんしね』
言葉の意味---------------
観見二眼(かんけんにがん)…
要約すると…
様々な物事を一つの視点ではなく様々な視点で見なければ己の成長はないという意味らしい
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