最終部「伝説! ヤリサーの姫!!」

47本目「激白! ヤリサーの姫はかく語りき!!」

◆  ◆  ◆  ◆  ◆







 本日はわたくしに語っていただきたいということでしたが……。


 えーっと、何についてお話すればよろしいでしょうか?


 ……えっ!? ですか!?


 …………セクハラですか? ゲイボルグしますか??







 ……あ、はい?


 男性と付き合ったことがあるかどうか、という程度で良い?


 …………それはそれでセクハラだと思うのですが――いえ、まぁいいでしょう。があることですし……。







 それで、えぇっと……お恥ずかしながら、わたくし今まで男性とお付き合い――というかになったことはございません。


 そのぅ……興味がないわけではないのですが……。


 今までですか?


 はい、わたくし、女子高に通っていましたので、同世代の男性とは関わりがなかったのですよね……そもそも、高校生でお付き合いは早すぎますし……え? そうでもない? ……そ、そうなのですか……。


 ……まぁ良いです。


 大学に入ってからは……そうですね、男性の方からお誘いを受けることは多かったですね。


 ………………は……。


 なぜなのでしょうね?


 わたくしは趣味、いえ好みの話をしただけなのですが……。


 そうするとなぜか声を掛けて来た男性の方から『やっぱりなしで』と言われるのですよね。失礼ですよね?


 まぁ、植井うえいさんたちもそのままサークルに残ってくれていたのは感謝ですが……やはりヤリが盛り上がるのは嬉しいですからね。







 わたくしの好みの男性のタイプですか?


 ……えーっと、そこまで話さなければなりませんか……? え? 話さなければ見返りはなし? えぇ~……。


 し、しかたがありませんね。こういう話には不慣れなので恥ずかしいですが……。


 …………あ、でも……こういうのって『恋バナ』って呼ぶのでしたっけ? うふふ、初めてなのでちょっと楽しくなってきたかもしれません♪ ……え、違う? ……そ、そうですか……。







 好みのタイプですかー……。


 そうですねぇ、やはり『ヤリ』を嗜んでおられる方ですね。


 腕前は気にいたしませんよ? 同じ道を志す方が好ましいとわたくしは思います。


 ……そうそう、『趣味の合う方』という意味と同義ですわね。


 その点で申せば、サークルの方々は全員好みの対象と言えるのですが……去年の間に全員から振られてしまいましたからねぇ……植井さんなんて、あちらから声をかけたというのに……。


 意外と根に持つタイプですか? まさか。わたくし、怒ってなんていませんよ?







 ……実はここだけのお話にして欲しいのですが――わたくし、昔本多さんにいわゆる『告白』をしたことがあるんですよ。


 ち、中学生くらいの時の話ですよ?


 振られましたけどね。


 同じ大学になった時に『もしかして今なら』と期待しないでもなかったですが、本多さんには恋人がおられますからね……それに、わたくしの場合は『男性と付き合ってみたい』という興味本位なだけのところもありますし、恋人がいる方にわたくしから声を掛けるというのは失礼にあたるかと……。







 ――……貞雄さんですか……。


 ……そうですね。彼はとても良い方だと思います。


 ひたむきに『ヤリ』に取り組む姿勢はとても好感が持てますね。


 それに、ここだけのお話にしていただきたいのですが……って、こればっかりですね、わたくし。


 えーっと、貞雄さんのことですが――彼はとても『才能』があるとわたくしは思っております。


 短期間で驚くほどの成長を見せていますしね。


 ヤリに限らず、初学者が急激に実力を伸ばす現象はありますが、貞雄さんの速さは並ではありません。


 サキ――姫咲きさきとの一件でわたくしは確信を持ちました。でしょう。


 ――そう、あの場ででした。


 わたくしですか? ……ふふっ、後になって思い返してみれば気付ける手がかりはあった、と理解できますがあの場では気付いていませんでしたよ。


 だから、もし貞雄さんがあの時叫ばなければ――サキのヤリはわたくしの頭を打って、大怪我をしていたかもしれませんね。そうしたらサキの思惑通りになってしまったでしょう。


 ……ランパの最中に口出しは厳禁、とは申しますが……今回の件についてはそもそも正式なランパなわけではないですし、素直に助かったとわたくしは感謝しています。


 もしもわたくしが敗北していたのであれば、サキも変わらないままでしたでしょう。


 全てが丸く収まったのは貞雄さんのおかげだとわたくしは思っています。







 …………好ましく思うか、と問われれば――ええ、そうですね。ことは確かです。ふふ、ちょっと恥ずかしいですね。


 え? 見返りとしてを教える、ですか?


 そ、そこまではっきりと……その、貞雄さんとお付き合いしたいと思っているわけでは……いえ、好ましく思っているのは事実ですが、貞雄さんの方がどう思ってらっしゃるのか……。


 心配ない? そ、そうなのですか……?


 で、では『上手くいく方法』とは――






「お姉♥ タンス漁りに――じゃなくて参考書貸りに来たよー♥」




 サキ!? また勝手にわたくしの部屋に――




「え? なになに? これなにやってるの? エッチなビデオの撮影みたい!!」




 え、エッチな――そ、そんなことしていませんっ!




「……あ、何かムラムラしてきた♥

 エッチな撮影なら、サキとしようよ♥」




 ちょ、サキ――




「あ、ダメだ。ヤるわ。絶対ヤるわ。

 もう完全にヤる気になったわ」




 わたくしの部屋でいきなり服を脱がないで――




「今日こそ一線超えるよ、お姉♥

 ナメクジの交尾みたいなブッ濃いレズセで、お姉をサキのものにするからね♥」




 やめ――




「オラッ♥ 脱げっ♥

 ぜってぇ逃がさねぇからなぁ~♥

 飲み込め、サキのグングニル……♥♥♥」




 …………。

 ゲイボルグッ!!!!!




「お゛ね゛え゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!! さきっちょだけでもいいからあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!

 …………あと参考書は貸してくださいお願いします」

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