日常1
『愛しているわ、マイケル。永遠に。』
『あぁ、俺もだよ、キャサリン。』
ゾンビの大群が迫りくる廃墟の中、夕日に照らされ1組の男女が抱き合い口づけを交わそうとしている。
画面は暗転しムーディな曲と共にエンドロールが流れた。
『はあぁぁぁぁ・・・
なーにが”アイシテイルワー”だっつーの。しらけたわ。』
俺はシリーズ累計売上1000万本のゾンビサバイバルゲーム"ゾンビー ハザードXV"をクリアして深いため息をついた。
待望の最新作かつ本作でいったん完結になるという情報をHPやSNSで事前に収集していたため期待が高まっていた。
そのため、発売と同時に購入し寝る間も惜しんでプレイしていたというのに、ラストが主人公とヒロインが永遠の愛を誓いながらゾンビたちに襲われて息絶えるであろうシーンだとは、、、正直がっかりだ。
『アホくさ。寝よ寝よ。』
こういう時は寝るに限る。
それに、何といっても明日は多くの社会人が最も憂鬱に過ごすであろう月曜日なのだ。
社畜である俺は十分な睡眠時間を確保するのに余念がない。
7:00に起床して朝食は抜く、30分で身支度して家を出て、9:00ギリギリに会社に到着する計算なのであと5時間は眠ることができる。
『俺にも”アイシテルヨー”なんて言える彼女でもいれば、少しはマシになるんかなあ。』
そんな非モテ全開の独り言を呟きながら布団にくるまった。
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