第171話 総力戦①
黒鷺が点を入れれば、すぐさま東大附属が取り返す。
東大附属が点を入れれば、すぐさま黒鷺が取り返す。
これを第2セット終盤までひたすら40回以上繰り返し、このセットも終盤。
得点は23-23。もうこの段階にまでなるとドゥースになる可能性が濃厚だ。
どっちも崩れず、最大5セットあるのでここで全力は出せないため、1点を取り合うシーソーゲーム。
ここから抜け出すのはかなり難しい。
ここで、黒鷺ベンチは動いた。
通常なら北野のターンだがここで北野を下げ、天井サーブが非常に得意な松本をピンチサーバーとして送り込んだ。(松本については167話参照)
白鳳を揺るがした天井サーブは、東大附属に通用するのか。
彼がセットポジションに入る。見た感じ白鳳は天井サーブ対策をしていないように思えるのでどう印象がつくか。
松本が高くボールを放つ。一瞬呆気に取られた東大附属のメンバーだが、その呆気も1秒ともたず防御体制に入る。
しかし天井サーブの利点は呆気にとることだけじゃなく、もう一つある。
コートの上空にはもちろん照明がある。その照明がレシーバーの視界を狂わせ、そしてミスを招く、恐ろしいサーブなのである。
レシーバーはなんとか拾うも、崩れていたので攻撃が容易に読め、俺と御手洗の2枚でブロックしセットポイントに。
そして最後を締めたのは松本。天井サーブをコートギリギリに決め、第2セットは25-23で黒鷺が奪い取った。
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今話が11月最終投稿となります。
12月も頑張りますので応援よろしくお願いします。
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