第172話 総力戦②

セットカウント2-0の東京都春高予選決勝。


3位決定戦は白鳳が勝ち進み、これで春高進出の3校が決まった。


あとは1位か2位か。


でもこの1位と2位かだと、雲泥の差がある。箔がつくかつかないか。


だから第3セットも全力で攻めていく。


第3セットは黒鷺が選手交代する。俺と北野に代わって1年生で未来のあるアンダーの松本・桂を投入。それ以外は変更なし。


第3セットはベンチで確認することになる。


当然、主砲が2枚抜けたことで得点の減少が危ぶまれるが、大砲はまだ夕凪が残ってるし丁寧すぎたがようやく荒っぽさが出てきた桂がフル体力で登場しているので問題はないだろう。


一つ懸念があるとすれば松本が緊張して普段のプレイができなくなる可能性があるところか。


また安っぽい電子音が音割れ気味のスピーカーを通して東京体育館サブアリーナに鳴り響いた。


勝負の第3セット。相手サーブからスタートだ。


相手の強烈なジャンプサーブが松本に直撃。


しかし松本はここ半年ほどでレシーブに重点を入れて鍛えていたためうまく上げた。


そして甲斐からミドルブロッカーの御手洗にパスが渡りクイックが決まると思いきや、相手がきっちり3枚用意してきてブロックされた。


これはなかなか厳しい舞台になりそうだ...

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