第74話 帰省②

改札を出ると駅のロータリーに見慣れた車が止まっている。


「ただいま。」


『おかえり。』


声を合わせて声を返してくれたのは、僕の両親。


父の名前は藤堂悠也、母の名前は藤堂朱莉という。


二人とももう40歳を超えているのにとてつもなく若々しい。地元の友人が最近僕の両親を見た時、20代後半に見えたらしい。


ちなみに見た感じ、妹たちは車に乗っていない。母曰く家にいるらしい。


ここは長野県安曇野市。市自体の人口は約10万人だが、その中でも人口3000人しかいない町で中学卒業までの15年間生きてきた。


家に向かう途中に、僕の母校が見えてきた。


この中学校は全校生徒は約200名くらいだったなぁ。


ちなみに同学年の人たちとはほぼ全員話したことがある。


この学校でも僕はもちろんバレー部に入っていた。1学年上の先輩には今年からVリーグのチームに入団した人もいた。


懐かしいなぁと物思いに耽っていると、もうすぐ家だ。


車が止まるとトランクから自分の荷物を取り出して、親が車を停め終えるのを待つ。


そして親がやってきて、家の扉が開く。


とその時、上の部屋から「やったーーーー!!!!!!!」という妹たちの声が聞こえた。


意味がわからずポカンとしていると父が


「あの子たちは受験をしてたんだ。声的に受かったはずだよ。」


と言っている。

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