第7話 夢の中のサバイバル

学校の授業中、美織学は深い疲れと睡魔に襲われ、やがて夢の世界へと旅立った。夢の中では、彼は再びミジンコとしての前世を体験していた。無限に広がる水の世界で、孤独に漂いながらも、時折現れる生き物たちに襲われそうになる恐怖と戦いながら生き延びていく。このサバイバルは、彼の日常生活での苦悩と重なり合う。学校での学びについていけない焦り、クラスメートからの理解を得られない孤独感が、夢の中でのサバイバルとして表現されていた。


目覚めた時、授業は既に終わっていた。汗でびっしょりと濡れた学の姿に、クラスメイトが不思議そうに声をかけてきた。「なんで、そんなに汗をかいてるの?」学は心の中で深くため息をつきながら、そっけなく「悪い夢を見たんだ」と答えた。彼の心の中には、この体験を誰かに伝えたいという願望があるものの、理解してもらえないという絶望感も同時に存在していた。


この体験は、学にとって二重の意味を持っていた。一方で、それは彼が日々直面している課題―学習障害による学校での苦労や、クラスメートとの関係での孤立感―と直接結びついていた。しかし、もう一方で、その苦悩が夢の中でのサバイバルとして現れることで、彼には自分の中にある強さ、どんな困難にも立ち向かう勇気があることを示していた。


学がこの体験を通じて得たものは、苦難に直面するたびに自分自身を見つめ直す機会だった。彼の内面に秘められた強さを認識し、それを現実世界での挑戦に活かしていく勇気を持ち始めていた。学はまだ自分の感情を完全には理解していないかもしれないが、この夢は彼にとって、自己受容への第一歩となった。

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