第6話 2日目 夜の大街道
20時28分、松山駅到着。
路面電車のある街は、夜がきらびやかだ。
JR松山駅前では、既に10人を超える客が道後温泉行の電車を待っていた。
中にはアジア系と思われる外国人の方もいて、とても流暢な日本語を喋っている。
松山市も国際化が進んでいるようだ。
寒空の中で待っていると、ようやく道後温泉行の路面電車がやってきた。
ロングシートの端っこにちょこんと座って、大街道まで乗車する。
夜の大街道はさすがに賑やかだ。
アーケードは人でごった返しており、スマホを見ながら歩く者もいるので注意がいる。
ラーメン屋はすぐに見つかったが、油そばがメインだったためスルー。
今日は寒くて体が冷えているので、熱々のスープが飲みたい。
次に見つけたのは家系ラーメンの店。
濃厚なスープで白米をガッツリも悪くないと考えるが、帰りの電車で食べた餅と回転焼がまだ腹に残っているのを感じてこれもスルー。
3番目に見つけたのが『鶏白醤油ラーメン鶏真』
看板を見ると、地鶏のスープが売りと書かれていた。
前の松山旅行で食べた焼き鳥が美味かったことを思い出し、この店に決める。
券売機でおすすめとされる『地鶏白醤油とりしんラーメン』を購入し、奥にあるカウンター席に座った。
やってきた熱々のラーメンは、ゆで卵、鶏つくね、鶏チャーシュ、松山あげと、まるで鍋料理のような面構えだ。
スープにはたっぷりと背油が浮かんでいるが、飲んでみると思いのほかスッキリしている。
細くストレートな黄色がかった麺は、歯切れがよくてスルスルと食べられた。
何よりスープの旨味と塩気をたっぷりと吸い込んだ鶏つくねと松山揚げがたまらない。
変わった具だと思いきや、こんな狙いがあったのかと気が付き感心する。
一気に食べきり満足感を覚えつつ店の外へ。
スープは塩味が効いているので残そうと考えたが、結局すべて飲んでしまった。
腎臓よ、たまの旅行くらいは許してくれ。
上機嫌のままホテルに戻ると、時間はもう22時近い。
明日に備えて洗面台でシャツと下着、靴下を洗う。
洗剤はローソンで買った『NANOXワンパック』を使う。
10gの使い切り小袋が10パック入っていて、旅先ではとても使いやすい。
コンビニ販売のため、24時間思い出した時に買えるのも助かる。
乾燥気味の部屋に洗濯物を干したら、次は入浴。
ホテルビスタ松山の独立式バスは、広くて洗い場もあり自宅のようにくつろげる。
入浴剤のサービスがあるのも面白い。
肩まで湯に浸かると、旅行の疲れがみるみる取れていく。
明日は午前中に県の北部を周り、午後は松山城や道後温泉を観光する予定だ。
4日間の旅行で最も歩き回る日になるだろう。
そう思いまだ体が温まっている内に、ベッドで横になった。
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