4
やがて到着を知らせるアナウンスが流れ機内から出る。外に出ると、そこにはまた別世界の光景が広がっていた。
辺り一面雪に覆われている。空気は澄んでいて気持ちいい。
そのまま外に出て伸びをする。これから新しい人生が始まると思うとわくわくする。
さあ出発だ。目指すはメルトネストという町である。
そこまで距離があるので、 ここからは鉄道を利用することになる。
改札を通り、ホームに着くと丁度列車がやってきたようだ。
私は乗り込み、適当な座席に座る。
列車の旅が始まった。車内では静かに読書を楽しんでいる人やおしゃべりをしている人など様々な人がいる。
特に話すこともないので読書に耽ることにした。持ってきた本を鞄から取り出して読み始める。
しばらく読んでいくと、ふと外を見てみる。外には白い雪に覆われた広大な大地が続いている。
その様子はどこか心を奪われてしまう。そんな美しさを持っていた。
私は無意識のうちにペンを取り手紙を書き始めていた。
書き終わると封筒に入れて封をしバッグにしまった。
それからしばらくして、列車は目的の駅であるメルトネスト駅に到着した。
列車を降りてから駅の外に出た時に感じたことはただひとつ、とにかく寒かったということだった。
どうやらここら一帯は特に寒さが強く感じる地域のようで、気温は零度を下回っているそうだ。
そのため防寒具が必須であり、持っていないと命の危険すらあるということなので注意しなければならない。
しかも今は寒氷期という季節のため更に厳しい気候なのだとか。
肺が凍りつくほどの寒さの中を私は歩き続けた。
暫くすると広場のような場所に大量の人が集まっていた。
どうやら何かイベントを行っているようだ。
興味を持ったので近くに行ってみる。
近くには旗が掲げられていてそこには「ステムによる祝福教」と書かれている。
そして周りを見渡すと大勢の信者と思われる人達がいた。その誰もが楽しそうな表情を浮かべていた。
一体どんな宗教なのか気になったので近くで話を聞こうと思い、近くの女性に声をかけた。
女性は快く応じてくれ、話を聞くことができた。
「私も詳しくは知らないんですが、この寒い地で植物の茎を崇拝し、その恩恵を受けられるように祈っているんですよ。
そしてそのお陰で作物がよく育つようになったのだとか。」
なるほど、そういうことか。確かに植物を大事にするというのは素晴らしいことだと思う。
それにしてもここは本当に寒い。
私は早く宿を見つけて暖まりたいと思ったので礼を言い、その場を離れた。
そして歩いて行くうちにようやく見つけた。
中に入るとそこは温かくてほっとする。
部屋を借りることにして、手続きを済ませて荷物を部屋に運び入れる。
これでひとまず安心である。
ベッドに腰掛けて一息ついた。疲れが取れていくような気がする。
まだ夕方にもなっていない時間だが、今日は特に何もすることが無いため寝ることにした。
明日に備えて休むことにしたのだった。
404 NOT FORGET はきりチューナー理 @hakiri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。404 NOT FORGETの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます