234:女帝の塔の新体制です!
■シャルロット 16歳
■第500期 Cランク【女帝の塔】塔主
報酬TPとアデルさんからの返済TP、それに元々保有していたTPを加えて……約250,000TPですか。
ナイトメアクイーンとウィッチクイーンの眷属化で82,000TP。
海姫ハルフゥの召喚で50,000TP。眷属化でさらに50,000TP。
そこからクイーンの召喚ですがアラクネクイーンが3,000TP。
サキュバスクイーンが3,300TPでラミアクイーンが3,500TP。
仮に二人ずつ召喚すると……19,600TP。
ここまでで一気に200,000TP以上使ってしまうわけですか……。
海姫ハルフゥの眷属化を後回しにするか、
どちらも通常の営業には支障はないのでハルフゥの様子次第ですかね。
召喚してみて眷属化すべきか判断しましょう。
「ではまずナイトメアクイーンの名付け、眷属化を行います」
「うむ、よろしく頼むぞ」
「ナイトメアクイーン、貴女は――バートリと名付けます」
「おぉ……なるほどな。確かに承った。これからも我が主のために尽力すると誓おう」
眷属化したからといって目に見える変化はありません。
召喚時のように魔法陣が出るわけでもありませんし、光ったりもしないです。
でもバートリ自身にはその変化が分かったようですね。
「続いてウィッチクイーン、貴女は――ベアトリクスと名付けます」
「ん……ありがとう、シャルロット様」
こちらは変化を感じたのかも分かりません。無表情のままです。まぁいつも通りですね。
リストでステータスを見るとやはり多少伸びてはいるようですが。
=====
名前:バートリ
種族:ナイトメアクイーン
職業:シャルロットの眷属
LV:60
筋力:S
魔力:A+
体力:S
敏捷:A
器用:B-
スキル:統率、鼓舞、闇魔法、暗視、視覚強化、魔力感知、体術、剛力、etc
=====
名前:ベアトリクス
種族:ウィッチクイーン
職業:シャルロットの眷属
LV:50
筋力:C+
魔力:S-
体力:B-
敏捷:A-
器用:B+
スキル:統率、四属性魔法、魔力感知、魔力操作、瞑想、etc
=====
そして海姫ハルフゥですか。ここが一番緊張しますね。
眷属の皆さんに目配せをし、心の中で「よし!」と気合いを入れてから召喚リストに触れます。
召喚を選択するといつものように玉座の前に魔法陣が描かれました。
やはりSランク固有魔物に相応しい、大きく複雑な陣です。
光と共に現れたのは薄水色のドレスを身にまとった、一見普通のお姫様。
両手を臍のあたりで重ねて姿勢は正しく。それは私がエメリーさんから習っている淑女の姿勢と同じです。
淡いエメラルドグリーンの髪は長く、しかし耳は魚のエラのようで。良く見れば両手から肘にかけて鱗のようになっています。
足元はドレスのせいで見えません。普通に立っているところを見ると人魚っぽくはないのでしょうか。
彼女は光が収まるのと同時にうっすら目を開けました。
居並ぶ私たちを見て一瞬驚いた様子も見えましたがすぐに冷静になりましたね。
「お初にお目に掛かります。海姫ハルフゥでございます。主様、どうぞよろしくお願いいたします」
「初めまして。私は【女帝の塔】の塔主、シャルロットと言います。こちらこそよろしくお願いします。貴女には色々とお伺いしてから塔の構成を決めようと思っています。相談にのって頂けますか?」
「もちろんでございます。なんなりとお申し付け下さい」
なんか……すごく貴族のお嬢様って感じですね。いえ、お姫様なんでしょうけど。
こう言ってはなんですがアデルさんやシルビアさんよりお上品な感じがします。
私も淑女教育の一環として見習ったほうがいいですかね? 【女帝】とはまた違っちゃいますかね?
ともかくリビングに移動しまして眷属の皆さんで話し合いです。
一先ず自己紹介とか色々終わらせてから相談という流れですかね。
「まぁ、二年目のCランクでこれほどの女王様がたをお迎えしていらっしゃるとは……シャルロット様はとても優秀な塔主様なのですね。わたくしもお喚ばれして嬉しゅうございます」
「うむ、並みの主ではないのは確かだな。其方も我らも幸運には違いないだろう」
「私がどうこうというよりエメリーさんや皆さんのお力と同盟の協力とかがあってのことですからね。これからもよろしくお願いしますとしか言えませんよ」
とりあえず【女帝の塔】のことからお話しました。
やはりハルフゥさん含めてSランク固有魔物が三体というのに驚かれていましたね。
そりゃそうですよね。Aランクの塔でもなかなかいないと思いますし。自分でもやりすぎだとは思っています。
「ハルフゥさんは陸上でも生活できるのですか? 水中でなければいけないとかは」
「通常の生活というのは水陸どちらでも問題ありません。戦う時に差異が出まして、水中ですと速度を活かした近接戦闘もできますが、陸上ですと遅くなりますので魔法専門のような戦い方になります」
「はぁ~そうなのですか。【青の塔】での戦いを見ましたがてっきり魔法のみで戦うのかと思っていました」
「おそらくそちらで召喚した【海姫ハルフゥ】は陸上での指揮を任されていたのではないでしょうか。わたくしは海の魔物全般を配下に置くことができますが、海の魔物と申しましても岸や岩礁に住まう者もおりますし海鳥などもおります。全体を指揮するのであれば陸上のほうが使いやすかったということだと思います」
なるほど。そういうことですか。
と言いますか、本当に【青の塔】とは別個体なんですね。聞いてはいましたがよく分からない仕組みです。
ともかくハルフゥさんご自身は陸上の生活でも全く支障はないそうで、戦うにしても指揮や魔法に限れば陸上で大丈夫とのこと。
ただ配下はやはり海の環境であったほうがいいわけですから、どちらにせよ海の階層は必要になりそうです。
指揮能力を無視してハルフゥさん単体で戦わせるなら必要ないでしょうけど……宝の持ち腐れですよね、それは。
海の階層についてはBランクに上がった時に創るというのを約束しまして、その階層を創る相談にも乗って頂くことになりました。
それまでは陸上生活のみということでお願いします。
五階層のユニコーンの泉についてもお話はしたので時々遊びにいくかもしれませんね。侵入者も来ないでしょうし問題ないでしょう。
と、色々お話を伺って、眷属化をどうしようかと考えます。
私としては賛成。とてもいい人ですし塔の運営にも役立つ人材だと思います。
問題は「【女帝の塔】の中に海階層かぁ……」というところだけです。上手い具合に創れるのならば創りたいですけどね。
そんなことを声には出さず眷属伝達で皆さんと相談しまして、結果は皆さん賛成とのこと。
出来るのならば眷属化したほうがいいだろうという結論です。
「よし、ではハルフゥさん、貴女を眷属化しようと思うのですが大丈夫ですか」
「まぁ! よろしいのですか? 海の階層も配下おりませんのでわたくし個人で戦うことでしかお力にはなれませんが」
「ええ、今後の塔運営を含めた相談にのって頂きたいですし、眷属として皆さんと共に【女帝の塔】を創っていって欲しいので」
「……承知いたしました。拝命謹んでお受けしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
というわけでまた玉座に移動です。
改めてハルフゥさんの名付け・眷属化を行います。
「お名前はそのままハルフゥとします。これで大丈夫ですかね」
「はい、確かに。ああ、なるほど、これが眷属化ですのね……」
=====
名前:ハルフゥ
種族:海姫ハルフゥ
職業:シャルロットの眷属
LV:60
筋力:A-
魔力:S-
体力:A
敏捷:S(陸上B+)
器用:A
スキル:統率、鼓舞、槍術、杖術、水中感知、水導伝達、水・氷魔法、神聖魔法、海姫の歌声etc
=====
水の中ならターニアさんより速くなるのですか……それは見てみたい気もします。
しかし陸上で戦うにしても平均以上に優秀ですね。特に神聖魔法はやっぱりありがたい。
ハルフゥさんには玉座を与えました。
これで並びは、右からハルフゥさん、バートリさん、私とエメリーさん、ターニアさん、ベアトリクスさんとなります。
今後は六女王会議ですか……。まだ少し寂しく感じますが、錚々たる顔ぶれだとも思います。
「あとはクイーンたちの召喚ですが、とりあえず二人ずつでいいですかね」
「ええ、問題ないでしょう。指導はバートリにでも手伝ってもらいましょう」
「ふふっ、問題ないぞ。せめて塔に配置している配下くらいは統率させんとな。妾は相手が女王だからと言って容赦はせん」
お手柔らかにお願いしますよ、ホント……新米女王様ですから優しくしてあげて下さい。
アラクネクイーン、サキュバスクイーン、ラミアクイーン、それぞれ二人ずつ。
彼女たちは玉座の正面に伸びる赤絨毯の両脇に玉座を三つずつ並べ、そこを一応の席としました。
私の玉座の壇下は四つの玉座だけ。そこから少し離す感じですね。
日々の運営会議には参加しないと思います。
生活用の部屋はいくらでもありますので、ヴァルキリーとかと同じようにそこで生活しつつ、各階層の配下の所に行きつつ、暇なら玉座に座っていてもいい……という感じになるでしょう。
あとの詳しい説明や教育はエメリーさんとバートリさんにお任せ。
ターニアさんとベアトリクスさんはハルフゥさんに色々と教えてあげて下さい。もちろん私も教えますけど。
ともかくそんな感じで新しい体制が整いました。
まだ配下の召喚が残っていますし、Bランクに向けた準備もしていかなくてはなりませんが、それはこれからの塔運営で徐々にやっていきましょう。
ちなみにハルフゥさんは大風呂を見てテンションが上がりまくっていました。そこが一番驚くポイントだったようです。
やっぱり泳ぎたいんですかねぇ……海の階層はなるべく早く創ってあげましょう。
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