101:塔主戦争申請祭りです!
■シャクレイ・アゴディーノ 30歳
■第489期 Aランク【傲慢の塔】塔主
「なに? 【世沸者の塔】から
『は、はい。しかも
ニャンダル男爵の【猫髭の塔】は同盟最弱のDランク。ならば勝てると。
同盟の
しかし相手が【世沸者の塔】で条件が
我らの知恵を結集すれば謎かけごとき容易いが、実際に動くのはニャンダルの魔物なのだ。さすがに猫では厳しいだろう。
「却下だな。
『ハ、ハッ』
■ドナテア 42歳
■第484期 Bランク【色欲の塔】塔主
「ほら見てみな、プリエルノーラ。今話題の【女帝】様からお誘いが来たよ」
「ひゃひゃひゃ! こりゃあ光栄なこったね! しかも一対一? ダンスパーティーかっての、ひゃひゃひゃ!」
随分と見くびられたもんだねえ。
【風】を斃していい気になってんのか、それとも【世界】から何か仕入れたか。
魅力のあるお誘いではあるし、サクッと片付けておきたい気もするんだけどねえ……。
「んでどうすんの、ドナテア」
「謹んでお断りいたしましょうかね。私もそこまで馬鹿じゃないよ」
「ひゃひゃひゃ、そりゃそうだ!」
■セリオ・ヒッツベル 23歳
■第499期 Cランク【審判の塔】塔主
「【忍耐の塔】から
「まず【女帝】一派から目をつけられたという事実が厄介ですね」
「同感だ」
彼女たちからすれば僕は一年代上のトップだ。目の上のたんこぶという所か。
新年祭、ミリアと一緒に色々と観察していたが、あらゆる塔主・眷属含め一番『怖い』と感じたのが例のメイドだと言う。
それもあって【女帝】と関わるつもりはなかったが、まさか向こうから打診があるとはな……。
「仮に戦わなければいけないとして、【女帝】相手では確実に負けます。【赤】とは互角かやや有利。【世沸者】は論外。そう考えれば【忍耐】はあの一派の中でも与し易い相手なのは間違いないでしょう」
【忍耐の塔】の情報は大まかにある。確かに僕らならば勝てるだろう。
しかし不利と思わず申請してきたのはなぜだ? どこに勝てる理由を見出した?
「…………いや、却下しよう。不確定要素が多すぎるし、仮に勝ってもその後に【女帝】と関わるのを避けたい。もし何度か申請があっても却下し続ければさすがに諦めるだろう」
「懸命な判断かと」
■ディオドール・デオグランデ 38歳
■第494期 Dランク【人形の塔】
「【輝翼の塔】かあ。つまんねえ相手だなあ」
「ガウ」
いやでもこいつを斃せば芋づる式に【赤】とか【女帝】とヤれるか?
それはそれで魅力なんだが……。
「時期が悪いよ時期が。今仕掛けてんのがいい感じだからな。もうちょっと待ってろって言ってみっか」
「ガウ」
■リアクア・マリーナ 27歳
■第492期 Cランク【昏き水の塔】
「ニュエル、【赤の塔】から
「おおっ! やりましたね、リアクア様!」
【赤の塔】――狙っていた相手ではあります。属性相性も良いですし、勝てば火属性の強力な魔物も得られるでしょう。
Dランクのままでしたら仕掛ける価値は薄いですが今ならば何かしら召喚しているでしょうし。
おまけに今をときめく【女帝】一派ですからね。侵入者もかなり増えるのは間違いない。
しかし相性が悪いと分かっていて向こうから申請をしてきたのが気掛かりです。
対策があるのか、英雄ジータでどうにかするつもりか、勢いのまま突っ込んできたか……。
「……いずれにせよ問題ないですね。受けましょう」
「よっしゃああ! それじゃさっそく訓練してきますっ!」
■ブレバス 40歳
■第495期 Dランク【風見鶏の塔】
「はあ? 【輝翼の塔】だと?」
なるほどなるほど、これは予期してなかった。素直に驚いた。
【女帝】一派の人気にあやかりたいとは思っていたが、まさか向こうから来るなんてな。
ただ本当なら【忍耐の塔】を狙ってたんだよなぁ。
俺の塔は鳥と風属性ばっかだし。【忍耐の塔】相手だと相性がいい。
【輝翼の塔】だと色々とかぶるんだよなぁ。
ただまあ向こうもそれを承知で勝負を仕掛けてきたってことは空の戦いに自信があるってこったろ?
はんっ! 同じ土俵で一年目が六年目に勝てるもんかよ!
なんなら【輝翼】を足掛かりにして【忍耐】も狙ってやるか!
「よーし受理だ、受理。準備期間なんてそんないらねえよなあ」
■ニフィスト 35歳
■第493期 Cランク【打突の塔】
=====
はじめましてニフィストさん。
風の噂で聞いたけどなんや力自慢らしいやないか。
うちの防御とそっちの攻撃、どっちが上か勝負せえへんか?
まぁ八年目でまだCランクなんやからたかが知れてる思うけどな。
自信がなかったら別に却下してくれてもええで。
【忍耐の塔】ドロシー
=====
「やろおおおぶっころしてやらあああああ!!!」
■マグドリオ・ゲーロス 51歳
■第498期 Cランク【強欲の塔】塔主
「おいバカ待て! なにやってんだ、この腐れトロールが!」
「何を言っておる。向こうからわざわざ飛び込んできたのだぞ、こんな旨い話があるか」
「くそっ! ああ、もう、どうしようもねえ……」
【女帝の塔】からの
で、セリが騒いでいるわけだ。全く喧しいヤツだ。
前々から狙っていた相手ではあるがセリがどうしてもと言うから仕掛けずにいたのだ。
あの時仕掛けなくて良かったと今ならば思う。なぜなら新年祭の一件があったからな。
新年祭、【女帝】はレイチェル・サンデボンと言葉を交わした。現場は儂も見ていたのだ。
その結果、塔主の全て、バベリオの民の全てで【女帝】の評価は高まった。
今までもすでに高かったその存在価値が跳ね上がったのだ。
そして今ならば戦力差で大いに勝っているのだ。
大商人マグドリオ・ゲーロスは機を見る目で生き残ってきたのだぞ。
「はぁぁああ、やっべぇぇぇ、どうしよっかなぁぁぁ」
「儂に任せろ。いざとなれば確実に仕留める策もある」
■インテリーノ・メガネクイット 31歳
■第497期 Eランク【千計の塔】
「【世沸者の塔】ですと? ほう、
ええ、ええ、存じていますよ、【世沸者の塔】。私は耳もいいですからねぇ。顔や頭だけでなく。
謎とき――でしょう? ええ、存じてますとも。
力が正義のバベルにあって知恵で挑む異端の塔。
面白い趣向ですよねぇ、私は嫌いじゃありません。むしろ評価します。
それで? 私にその謎を解いてみろということですね。はははっ、なんたる不遜、はははっ。
さすがにリサーチ不足で呆れてしまいますよ。私はそこいらの馬鹿塔主と同じではないのですよ。
幼児の頃から周囲では天才と呼ばれ、村長の家に押しかけては本を読み漁り、最終的には「村から出ていけ」と労いの言葉をもらいながらの上京。空腹で死にかけ悟りを開き天才に磨きがかかったところで神の天啓――塔主になれと。
そんな私に知恵の勝負を挑もうとは……やれやれですよ、やれやれ。
いいでしょう。受けて立ちましょう。
ヘンキョー村の天才と呼ばれた私が見事にその謎を解いてみせましょうとも!
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