第22話 『022 バクエンが来る』

『022 バクエンが来る』


「転生前の日本に戻って生きているのか?」


「いいや、死んだ状態だろう。死体で部屋で発見されて、終りだ。この4人は残念ながら葬式だ」


「ゲーム運営会社はこれをどう思っているのか?」


「さあな、運営会社ソフトイマージは謎の会社らしいからな。確か日本の会社じゃないよな。アメリカだっかた」


「アメリカなのは、少し聞いたことはあったが」


 掲示板サイトでは少しだけ見たことはあった。

 ソフトイマージはアメリカのゲーム運営会社で、ダンジョンオンライン以外にもゲームを運営していると。

 俺は興味がなかったから知らないが、他のゲームでも転生が起きているのかは把握できない。

 それとアメリカでも、俺達と同じく転生が起きているのかも知りたい。

 全世界で人気のダンジョンオンラインだから、世界中にプレーヤー数はいる。

 1000万人はいるとも聞いた事がある。

 かなりの人気ゲームだ。

 

「バクエンに聞きたい。アメリカでも転生が起きているのかい?」


「知らないな。ただアメリカ国内でも人気があったのは間違いないし、当然俺達が転生したのは日本でも大問題だろう。それはアメリカにもニュースで伝わるはずだ。日本だえk転生するなんておかしいよな。サーバーがアメリカとは違うだろうけどな」


「アメリカのプレーヤーとは会ったことはないですが、ただ会話はAI翻訳ができるから、日本語と英語もシームレスに会話は可能ですよ」


 カリナは会話について説明した。


「獣人はなぜわかる。会話したのか?」


「はい、会話した。私はAIプログラムなのでシステムはわかっている」


「AIの女か」


「カリナだよ、彼女は」


 カリナは会話するシステムを説明したが、自分がAIプログラムなのを話すのは抵抗はないようだ。

 てっきりカリナは自分がAIプログラムだとわかっていないと思っていたから、俺も気を使っていた。

 じゃあ俺が日本から来たのは知っているとなるな。


「死体は消えた。つまりはダンジョンオンラインから消えたのだ。日本に戻ったと思っていい。それがわかったから収穫はあった。だがペドロは謎のままだ。ペドロはつい先日にレベル15くらいだったはずが、オークと戦っていたのは疑問だ。そしてここまで来るのも変だ、何か隠しているな俺に」


「隠していないよ」


 転移ポイントでレベルアップのバグをバクエンは知らない。

 バクエンが知らないとなると、他のプレーヤーも知らないと見ていい。

 その謎は俺しか知らないとして、バクエンに話すつもりはないのは確実だ。

 話して何もいいことはないからな。

 そうなると日本に魔物が出現して、大混乱しているのは当然に誰も知らないとなる。

 俺が日本の魔物は討伐すると決まるな。

 バクエンに転移バグを話せば、日本にも行けるが、話す予定はなしとする。

 しかし圧倒的な差はあった。

 俺とバクエンの差は埋められない差があった。

 実際に目の当たりにするとショックを受ける。

 レベル300以上のバクエンとレベル75の俺では差はとてつもなくある。

 おこのオークを討伐できるのは並の冒険者パーティーではないのは、ゲーマーなら理解できる。

 バクエンのパーティーはやりこみのゲーマーである。

 日本で生活している時から、ダンジョンオンラインに相当な時間を使っていたと思って間違いない。


「日本では何時間プレイしたんだ?」


「おっと日本でのことを聞くのはマナー違反だぜ。お互いに事情はあるだろう。職業や住んでいる場所は聞かないのがマナーだ。それはペドロも知っているよな」


「わかっている、ちょっと聞いただけだ」

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