第21話 『021 オークの反撃』

『021 オークの反撃』


 オークの腕を切る。

 鋭い剣術だ。

 俺も負けていられないとして、オークが苦しんでいる時に足を切る。

 手ごたえはあった。

 カリナも短剣を振る。

 一気に優勢になっただろう。

 勝てそうだ。

 オークが片足を地面につく。

 もうダメージは大きいし、流血もある。

 こっちはダメージは受けても回復魔法で回復してもらえて、カリナも回復された。

 やはり6人だと違う。


「ぐあああああああ!」


「ヤバい、メッスがやられた!」


「俺もだ、ぐううううああああ」


「回復する」


「回復が間に合わない」


「ダメだ、オークが逆襲してきたぞ」


「カリナ、オークから離れろ」


「離れます」


 オークを討伐できると思った俺だったが、討伐ではなかった。

 逆にオークから反撃にあってしまい、冒険者達は倒れる。

 しかも回復魔法使いも打撃を受けて失神状態。

 回復もできないピンチに形勢は変わった。

 そこですぐにカリナには危険なので距離を取らせる。

 オークを甘く見ていた。

 冒険者パーティーも同じだ。

 オークはレベル300くらいないと倒せないという情報があるが、6人いれば討伐できるという考えは甘かった。

 こういう勘違いはRPGゲームでは普通に起こる。

 勢いよくダンジョンで下の階層に行くと、結果死ぬのはありがちなのだ。

 オークは反撃の手を緩める気はないみたいで、冒険者パーティーは死にそうだ。

 俺とカリナは辛うじて非難したからいいが。


「ペドロ、冒険者パーティーが死にそう」


「助けたいが、危険過ぎる。2人では助けるのも難しい」


「オークが強いです」


 カリナも助けたい気持ちはあっても行けないのはわかっている。

 はっきり言って俺達も逃避しないと死ぬだろう。

 逃避できればの話だが、オークに逃げ道を塞がれ簡単には回避できそうにはないか。

 冒険者パーティーが苦しい状況が続くと、


「ハイドロウォーター!」


 誰だ?

 魔法がオークに向かって放たれる。

 オークに魔法が命中して、一撃で倒れる。

 凄い水魔法だ。

 この魔法を使えるのは、相当な魔法使い。

 追撃でオークに攻撃をしていく。

 別の人が剣でオークを切った。

 これも強烈な剣術だった。

 オークは反撃できないで大ダメージを受けた。

 そのままオークを切っていき討伐した。

 魔法を使った方向を見ると、


「オークは討伐した。ふふふ、危なく死ぬところだったなペドロ」


「あなたは、バクエン。なぜここに。俺達よりも先に行ったと思っていた」


「この階層で休憩を取っていた。するとオークを発見して来てみると、ペドロと獣人がいる。さすがにペドロではオークは無理だろう。自分のレベルを考えて行動するんだな、俺に感謝しろよ」


「助かった、感謝するよ」


 助けてくれたのは、嫌な奴だった。

 バクエンの団の連中でバクエンだ。

 俺が急激にレベルアップしたのを疑っているのがバクエン。

 そのバクエンに救われるのは不本意ではあるが、助かったのは事実でお礼はした。

 死ぬと本当に思ったからだ。


「あそこにいる冒険者パーティー4人は死んでいる。遅かったようだ。死ぬとどうなるのか知りたい、観察しよう」


「死んだのか」


 どうやら間に合わなかったらしい。

 オークによって殺されていたのをバクエンは観察している。

 バクエンもプレーヤーが死ぬとどうなるかはわかっていない。

 俺もこのゲームに転生してから実際にプレーヤーが死んだのは初めて見たから、冒険者パーティーには悪いが知りたい気持ちはある。

 バクエンが観察していて、


「冒険者パーティーは死んだ。死ぬと転生前のゲームでは教会で蘇生できたが、今あは教会で蘇生は不可能となった。受付嬢も話していたが、プレーヤーが死ぬと日本に転生すると思う。ゲームで転生する前の状態に」

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