第8話 『008 転移でレベルアップ』
『008 転移でレベルアップ』
ダンジョンオンライン内にいるプレイヤーはダンジョンにも行っているらしい。
街を出ると近くにダンジョンが複数ある。
どのダンジョンもランクがギルドによって指定されているから、その指定されたランクにあったダンジョンに行くのをすすめられる。
俺のレベルは12になったばかりのFランク。
ダンジョンに行くとしても最低ランクのダンジョンになるのはゲームをやりこんで来た経験からわかる。
「おいお前はペドロだったな。レベル10だったな、Fランクの依頼でもやってろよ」
「バクエンか。俺のレベルは10じゃない、12ですけど」
「12? そんなはずはない。レベル10だったろ、嘘つくな」
「本当です。上がったのです」
「きっとラッキーで上がったんですよバクエンさん」
「そうだな、ペドロに言っておくが俺のレベルは380だぞ、すげえだろ」
「380ですか。かなりゲームをやりこんだと思う」
「そりゃそうだ。俺はダンジョンオンラインに夢中になって、徹夜でやりこんだ。それで会社解雇されたんだ。あははははは、380になるのはペドロでは当分は無理だが」
バクエンはレベル380を自慢してきた。
確かに380まで行くのは楽ではないのは俺にも理解できる。
他のRPGゲームをやりこんできた俺だからバクエンの言っている意味がわかる。
ただ会社をやりこんで解雇されたて自慢してどうするんだ。
廃人てことだろう。
おそらくは一日10時間プレーするのを、やりこんだっぽい。
それも長い期間。
だから俺がレベル12になったのは信じなかったのだ。
レベルを2上げるのは簡単ではないのに、いきなり12だと俺が言ったから。
まあ本当にレベル12なので、嘘は言っていない。
ここまバクエンや他の冒険者プレイヤーの言葉を観察してきて、転移ポイントについては、誰も触れなかった。
つまりは現段階では俺しか渋谷の転移ポイントは知らないと思っていい。
ただプログラムバグかも知れないから、またできるかは不明だし、別のバグになって死んでしまったり、ログアウトもできないで固まってしまうなんてこともあり得る。
そこでまた俺は例のマッサージ店に行った。
なぜ来たかと言うと、転移ポイントはいつでも何回でも使えるのかを試したいのがあった。
もし何度でも使えるのなら、レベルアップは何度も上がる。
無限アップのバグを発見したとなる。
しかし運営会社ソフトイマージが気づけば、ただちに修正が入る件だろう。
なにせこんなレベルアップ方法があれば、無限にレベルアップしてしまい、ゲームのバランスを著しく壊してしまう。
ゲームによっては、これもあり得る話で、ゲーム開始前にテストをするのはそのためだ。
マッサージ店に来て、前回と同じ女性が接客してきて、俺は扉を開ける。
<転移ポイント>
渋谷ハチ公
やはり転移出来て、また渋谷の駅前にいる。
渋谷に転移できるのは確認した。
レベルアップしました
レベル 13になりました
レベルアップした。
確実に俺の予想は当たった。
転移ポイントで転移するとレベルアップする。
そして何もせずにマッサージ店に転移する。
レベルアップしました
レベル 14になりました
スキル 速足1を覚えました
速足スキルは戦闘時に早く行動でき、優位に戦えるので嬉しいスキルだ。
これを何度か繰り返せば、他のプレイヤーの何倍、何十倍も速い速度でレベルアップ可能だ。
偶然にも掲示板サイトでバグの報告を見ていて、それを実行したことから、始まった。
俺の超高速のレベルアップが始まりそうな予感がした。
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