第6話 『006 マッサージ店』

『006 マッサージ店』


 聞いた通りに行ってみると本当に地下室にマッサージ店はあった。

 扉を開けると、うす暗い部屋。


「誰、客かい?」


「はい」


 店内は女性が一人いた。

 あれ、何も起きないが。

 掲示板サイトではバグで強制的にログアウトだったとあった。

 嘘だったか。

 精度の低い情報だけに、こうなることは予想はしていたが、何も起きない。

 困ったので、女性と会話した。


「ここはマッサージ店ですよね」


「料金は30分でもらうよ、金はあるだろ」


「あります」


 奥にある部屋に入るように通される。

 女性は薄着の衣服である。

 奥の部屋の扉を開けて中に。





<転移ポイント>


渋谷ハチ公


 


 何だこれ?

 部屋に入ったはずが、急に転移ポイント、渋谷となった。

 これもバグか。

 普通の状態ではないのは間違いないけど、渋谷を選べってことか。

 俺は渋谷を選択。

 


ー------------




「ここは? ハチ公だよな。渋谷のハチ公だ」


 一瞬だった。

 渋谷のハチ公を選択すると、本当にハチ公に移動した。

 いや転移ポイントとあったから、転移したと思われる。

 バグでログアウトするとあったが、渋谷に転移したのは情報とは違う。

 確かにバグだろうが、完全にログアウトしたのとは違って、まだゲームにはいる。

 俺の姿がアバター状態だからだ。

 完全にログアウトしたなら姿は元の宮下陸になっている。

 そうなるとログアウトではなくて転移したと言えるが、これも急にダンジョンオンラインが運営によって変化したのと関係あるかもだ。

 元々バグが運営が予期せずに変にバグったのか。

 それともプログラムは正常で転移できるようになったのかは不明だな。




レベルアップしました

レベル11 になりました



「えっ、レベルアップ?」


 なぜか渋谷に転移したら、その後にレベルアップが起きた。

 偶然にレベルアップしたのか、それとも理由があるのか。

 レベルアップするのは魔物を討伐したときであるから、討伐したのからは時間がたっているので変である。

 考えられるのは、転移した時にレベルアップした?

 いやそれは考えにくいか。

 ギルドの受付嬢からの説明では日本には帰れないとはっきり言っていたし、受付嬢が噓を言うとは思えないから、予期せぬバグと考える。

 しかし転移したのはいいが、渋谷の人は俺を見えているのかだ。

 なにしろ日本人の宮下の姿ではなくて、ゲームの冒険者っぽいアバターであるから、どう見えているかが気になる。

 渋谷は人は東京でも多い街であるあら、駅前なので人は凄まじい数だ。

 しかし変な気もするのは、歩いているよりも走って逃げているようにも見える。


「助けて、助けて、殺されるわ!」


「どうしたのですか?」


 女性が走って俺の方に来たので声をかけてみた。


「魔物です。魔物が出て、みんな食われている」


「なんだって魔物が?」


 意味がわからない言葉が出た。

 てっきり変質者に追われているとかかと思ったら、魔物という言葉が出たのだ。

 渋谷に魔物がいるはずもないから、冗談だろうと思うも、女性は本当に震えている。

 女性に魔物の居場所を聞いて行ってみる。



 場所は駅から近い繁華街。

 普段なら大勢の人でにぎわっているはずだが、行ってみると地獄だった。

 会社員が魔物に食われているし、警察も来ていて発砲しているが、殺されそうだった。

 最低でも30人は死んでいる。


「魔物がなぜ日本に。それもこいつらはゴブリンだろ」


 ダンジョンオンラインでは低レベルな魔物であるゴブリン。

 そのゴブリンが日本人を襲っているおぞましい光景。

 助けてという悲鳴。

 俺は剣を持っているので構えた。

 ゴブリンに切りかかった。


「死ねゴブリン」


 ゴブリンは低レベル魔物であるが俺も負けじと低レベルでレベル11になったばかり。

 俺の剣術3スキルがあるが、必死に切った。

 会社員を助けながらも、ゴブリンを切る。

 ゴブリンを15匹討伐していた。

 

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