第3話 『003 冒険者ギルド』

『003 冒険者ギルド』


 冒険者ギルドに入る。


「ふざけんな!」




「勝手に転生させて、日本に送れよ!」




「ギルドはダンジョンオンラインの運営と繋がるだろう、何とかしろよ!」




 ギルドに入るなら、冒険者プレイヤーが暴言を受付嬢に浴びせていた。


 ギルドはゲームではAIプログラムだろうし、ゲーム運営が潤滑に行われるように存在しているわけで、プレイヤーは怒りで叫んでいる。


 当然といえば当然だ。


 何の説明もなくいきなりゲームにログインしたらゲームに転移してしまうのは、誰だって怒るだろう。


 中には現実が嫌で喜ぶプレイヤーもいるかもだが。


 大混乱するギルド。


 収拾がつかない感じだ。


 受付嬢は冒険者プレイヤーが依頼をするのに説明と紹介をする役割があり、プレイヤーのレベルと強さに応じた討伐依頼を紹介する。


 たいていのゲームでは受付嬢は女性がやる。


 そして美人であるのは約束事だ。


 この受付嬢も相当な美人なお姉さんだ。


 しかし何人もの冒険者プレイヤーに文句を言われて、混乱している。




「説明します。現在ゲームプレイヤーはダンジョンオンラインに転生しました。今の姿はアバターと同じです。そしてプレイヤーは日本には帰れません。このままダンジョンオンラインで暮らします。魔物を討伐依頼をしてもらいます」




「ふざけんなよ、帰らせろよ」




 説明では日本には帰れないと言われた。


 となると俺はずっとダンジョンオンラインで生活か。


 面倒なコンビニでのバイトはしなくていいのはいいが、不安もある。


 魔物を討伐しないと金がなくなり生活ができないのだ。


 空腹になったら死ぬのかはわからないが、蘇生がない以上は食うしかない。


 ギルドから宣言されたので、冒険者プレイヤーは選択を迫られる。


 魔物を討伐するか、飢え死にするかだ。


 俺は迷わず魔物を討伐だ。


 過去にRPGゲームをしてきて、レベルアップをするのは多くのゲームをして経験があるから、きっとレベルアップはできると思う。


 現在はレベル10だが、頑張ればアップできる。


 好きなRPGゲームを仕事にできると考え方を変えれば、楽しい人生になりえる。
















 俺が受付嬢に話を聞ける余裕はとてもないから、ギルドから出た。


 転生してプレイヤーの多くは混乱していて、街は機能停止している感じ。


 飲食店でもトラブルが起きているのは、怒った冒険者プレイヤーが皿を投げている。


 看板を蹴り飛ばしているプレイヤーもいるし、落ち着きがないのだ。


 俺はそんな中でも冷静にしていたほうだ。


 暴れても何も変わらないのもあるし、それに一つだけ気になっていることがあった。


 気になる点は転生前の日のことで、ゲームをする上で俺はよく掲示板サイトを見ていた。


 ダンジョンオンラインの板があり、情報を書き込む連中が色々と自由に書き込んでいた。


 それを情報集めに読んでいたのだが、ある書き込みを記憶していた。


 その書き込みは、








>ダンジョンオンラインにはバグがある


>どんなバグ?


>いきなり強制的にログアウトした


>それバグじゃん


>運営に報告しろよ


>どこにバグ、詳しく教えて


>マロウ街にある貧民街、そこのマッサージ店に入った。そしたら変になってログアウト


>エロいことしたからだよ










 確かこんな感じの書き込みだった。


 その時はまるで役に立たない情報だと思って無視したが、今になって気になっている。


  誰が書いたかは不明だが、書き込みにあったマッサージ店があるのかだ。


 もしゲームプログラムバグで強制的にログアウトするならば、ゲーム転生から日本に復帰できる可能性があると考える。


 掲示板の書き込みなので信ぴょう性じは低いが、やってみる価値はあると思う。


 マロウ街は偶然にもいる街であるし、貧民街もあると聞いた。


 そこで試してみるとして街の貧民街に行った。


 貧民街は街でも貧乏な人が住む地域と原作ゲームでは設定となっていて、来てみると多くの人が路上にいる。


 いかにも治安が悪そうだ。


 あまり来たいと思わない地域で、冒険者もこの地域には見ないから来ないだろう。


 目を合さないようして歩いて目的のマッサージ店を探したが見つからないので困った。




「すみません、この辺でマッサージ店はありますか」




「あるよ。その建物の地下だよ」




「ありがとう」




 路上の男性に聞いてみたらマッサージ店の場所を教えてくれたので、地下に降りてみる。


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