第一章

第2話 一章プロローグ

ーーーすてきな夢を見ていた気がする。

ーーーできればこのまま夢を見続けていたい


「おはよう」


 君の声がした。

 天気は生憎のところ曇りがかっている。


「おはよー」

「常に飯は用意してるから少ししたら食べようか」

「りょー」


 夢は見続けられなかった。

 でも、それ以上に今私は夢を叶えようとしている。

夢は見るものじゃなくて叶えるものだって。君がそう言って。


「てか寒くない?」

「そらねー、この地域基本冷涼だし。というわけでほい。朝はスープ。熱「ほぁっちゃー!?」…」


 思わずコップから手を離した。せめて息を吹きかけてから飲めばよかった…。

 私の手から離れたコップは宙を舞った。そのまま重力に従い、地面に激突しようとするが、停止した。


「セーフ…お前手ぇ離すなよ!」

「ごめんって…」


 魔法。私たちは魔法使いである。

ひたすらに歩き続ける旅人でもある。


 夢や目的に向かって、でもそんな大層なものもなくて。

 日常の小さな夢、希望を追って叶える旅。

時折、大きな夢を掲げたり、別れたり、出会ったり。困難に立ち向かう。


 そんな私、トレフエンと彼、レーベヴォールの


「おーい、いくぞー」


 出会いと別れ、夢を紡いだ、そんな旅路の記憶だ。


「りー!」

「せめて単語にしろって…」

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