第117話 修羅場

夫がキレた。

次女の態度の悪さにキレた。

次女の携帯は止められ、近いうちに解約すると。

次女の部屋のものは家具以外全部部屋から出され、洗面所からコスメも全てゴミ袋に入れられた。


次女は、昨日約束を破ったのだ。

更には、その現実からも逃げた。

帰宅したのは夜遅く。


前日、数年ぶりに次女と私は話しをした。

このところの反抗期は、もう手もつけられず…私から何かする事もやめて、数ヶ月。

思いをぶつけ合い、翌朝に「ママへ」と手紙が置かれていた。

反省だけでなく、思春期の葛藤、母への優しい思い、そして信じてほしいと。

その受け取った日に、約束は破られ…更に次女は激しくキレた。

信じてほしい…何を信じる?

信じるほしい…相手にノーを言わせない言葉としか今は思えない。


次女は、今日学校の行事。

私は、次女が嫌がるので参加しない。

知らなくてもいいこともあるだろう…。

父親が来ないよう、来校チケットをコンロで焼いた次女。

切れ端を持って参加する父親。


いつになく、、、途方に暮れる母。

本当は、逃げたい。

こんなくらいでと思いながら、気持ちに正直になるならば、荒れた家の中を見つめながら…今直ぐ現実から逃げたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る