第38話 誕生日

数日前に過ぎた私の誕生日。

夫は、忘れていた。

自分の年齢が把握できていない夫。

私との年齢差で、私が◯◯歳だから多分貴方の年齢違うと思いますよ…と。

その時、私の年齢が違う事に気が付いた。

特に何も無い。おめでとうも無い。

何やらニヤニヤというか、ドギマギというか態度が明らかにおかしいので、私のお誕生日も何か楽しく過ごしていたのだろう。

あまり気にしない。


パパ活がわかった時も時系列で活動した日を見て、娘達が順々に「私のお誕生日だ…」と言っていたし、情けなくも悲しくも慣れてしまった。 


取りあえず、誕生日という訳では無いが…いつもとは違ったレストランへ。

我が家にとって、割烹や高級フレンチは最大の敵。

あの御食事を楽しむゆったりとした間…こういう場所に来れるのは誰のお陰か考えろという圧…いつも誰かが静かにその場で涙を流すのが定番。

静かな口調で淡々と、次々にとどめを刺す夫。


そこで、数年前から対策を打ち出した。

基本的にそのようなレストランは予約制。

レストランの名前を入手して、先回りして電話を入れる。

他人には危害を加える事はないが、基本的に家族に対しては陰湿なDV気質で待てない性格な事、なるべく素早く次の御料理を出して欲しい事を伝える。

これを事前にするようになり、随分と楽になった。

今日のお店には、大丈夫だろうと連絡していなかっが…出る直前に服装や心構え、気が狂ったように誰のお陰か考えろ〜怒! 出て行け〜怒!

と怒鳴り倒された為、長女が携帯を私に渡して早く連絡してと即した。

怒り狂いながら道中を向かい、お店に到着。

外面良男的な彼は、即座に良き夫&良き父として席に着く。

小さなお店で、その時間は他の来店客もなく貸切状態。

他のお客様がいないと、外面良男が消えるのでは…とドキドキしたが、スタッフの女性が色々御料理の説明を間髪入れず話してくださり安堵。

厨房も近くフランス人のシェフは、すぐ目の前。

久々に高級料理を堪能した。

いつもは、味わう等という感覚は全く無い。

早く終われ、早く終われ、次の御料理来てくれ、と唱えてばかり。


久々に家族写真を撮っていただく。

どこから見ても「幸せ家族」そのもの。。。

子供達の御受験写真を彷彿させる出来栄え。

母に写真を添付して送ってあげたら「何とも言えない…」と。


取りあえず、無事に終わった。

やっぱり…私はガチャガチャしたお店で御飯を食べる方が性に合っている。




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