第21話 卒業

卒業式を待たずして、一足先に長女が卒業アルバムを頂いてきた。

妹に見せて、二人でゲラゲラ笑っている。

一息ついて、私もアルバムを手にとりパラパラと。

懐かしい顔ぶれに、顔がほころぶ。

娘は、幼稚園からの一貫校。

三歳から共に通った御友達。。。


思い返せば、15年ほど前〜夫に連れられて突然デパートへ。

夫の指示で、紺色の御受験ワンピースを購入。

その時、既に下の子がお腹にいた私は、あと3日で出産という時に、長女の幼稚園受験会場にいた。


あれから15年。

右も左もわからない中、独特の価値観を良しとする一貫校で、何とか「御母様」をやってきた。

勿論、通うお子さんは皆普通の子供達。


それでも、田舎で雑草のように育った私には、初めて経験する事ばかりだった。

クローゼットには、何着かの地味な色目のワンピースが並ぶ。

保護者会用の制服?とも言えるワンピース。


もうすぐ卒業。

沢山学ばせて頂きました。

そして…私は今日も、子供の御下がりデニムで日記を書いている。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る