第15話 生と死
伯父が安らかに旅立った。
4年に一度、2月29日のお誕生日を待たずに。
今更ながら、死ぬってなんだろう?
反対に生きるってなんだろう?
長い人生、途中で一度や二度、死んでしまいたい…消えてしまいたいと思った事がある人は沢山いるのではないだろうか。。。
勿論、私もその一人。
雑草のように育った中で、友人関係からくる苦しみや葛藤。
年齢が上がれば、仕事や追われるものから逃げたくなる日々。
そして結婚してからは、感情も自由も許されない生活。
夫から数時間おきに電話連絡が入り、メールで叱責を受け続けるといった生活が何年も続いた。
私は、あまりの辛さに「生きる事を自分で選んでいる」という証が欲しかった。
良い表現ではないけれど、自分を極限まで苦しめ…我に返っては「私は生きている! 自分で生きる選択をしている! 自分で選ぶことができている! 自由だ!」と言い聞かせていた。
今思えば、なんて馬鹿な事をしているのだろう…と思うけれど、その時はそれしか生きていく自信が見付けられなかった。。。
後に、メンタルクリニックで適応障害と診断される。
今も、生きているのが辛い時は沢山ある。
ただ、それを以前のようなやり方で「生きている証」を確認したりはしない。
美味しい物を食べる、甘い物を好きなだけ食べる、好きな服を着る、お洒落をしてみる。
自分を傷付けなくても、遠くに行かなくても「自分で選んだ生きている証」は見つけられると思う。
そして、何より家族の一員である愛犬イー君と愛亀カメ吉を見ていると、生きるってこういう事でいいんじゃないかと思う。
ご飯になれば喜びはしゃぎ、御天気が良ければ日向ぼっこをする。散歩や日光浴の時間になれば無条件にルンルンしている。
余計な事など考えず、ただ今置かれた状況に最大限生きていく。
あまり難しく考えるのはやめよう。
みんな違ってみんないい。
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