第11話 学び
世の中は、連休。
いつもなら、数日休みができると旅行に出掛ける夫。
今回は、珍しくどこにも行っていない。
それは、大学院の発表会があるから。
夫は国立大学医学部を卒業後、都内大学病院で何年か仕事をした後に、再び地方にある大学院に進学し
た。
大学院在学中に私と結婚。
ちなみに、恋愛結婚だ。
その大学院で医学博士号を取得した。
ということは…既に大学院は、卒業済。
新しい大学院は、デジタルやAIといった新しい分野が学べる大学院。
当初、夜から始まる授業に向けて、朝から自宅を出発。
授業までの間は、次々にパパ活女子とデートをするという生活。
女の子は、次々に変わる。
そんな事をすること数年、家族にもバレて親族からも白い目で見られ、オンラインに切り替えた。
彼は、新しい事には目がない。
パパ活をした理由も、そう答えた。
元々の家族〜両親や兄弟、更には現在の家族である妻や子供、それは古いカテゴリー。
パパ活すらも、相手が頻繁に変わる。
新しいの追求。
パパ活が、バレた時も「家族を捨ててまでするものではないとわかったけれど、もう少し極めたかった」と言った。
そして、再発。
皆、呆れている。
勿論、学ぶ事に貪欲なのは賛成。
彼は、医療のセミナーへの参加も抜かりない。
この近年だけでも、速読教室、催眠術学校、気功師養成所。
様々な学校に通った用に思う。
速読教室は、かなりのハマりようで毎週のように通っていた。
パラパラめくると頭にざっと内容が入る「パラパラ」という技術を身に着けた。。。
詳細は、不明。
催眠術学校は、催眠療法を取り入れる観点から通ったようだが、実践形式では…とある大きな有名公園で、先生と5円玉をつるしながら「貴方はキティーちゃんにな〜る、な〜る〜」とお試しを来園者にやっていたようだ、苦笑。。。
こちらは、短期で修了。
残されたのは、宇宙と更新する為にとAmazonから届いたエイリアンのお面。
怖くて彼の書斎に入る気がしない。。。
長く続いたのは、気功師養成所。
身体を動かしてのやり方が合っていたのか、多くの生徒さんと共に交流を深めていたようだ。
気功師の認定も頂いたようで、まあ形になったといえばなったと言える。
しかし、この気功師養成所通学の何年間は、自宅で「プルプル体操」と命名された謎の体操をするので、家族にとっては苦痛を伴う期間でもあった。
その名の通りプルプルと身体を震わせ、謎の音楽がかかっている。
鐘というか、、、木魚というか、、、イメージとしては、ネパールとかチベットの寺院で聞かれるような音楽。
それを大音量でかけて98キロの巨体がプルプルしている…ご近所から見たら異様な光景だ。
またもや通報されたら、何と答えようか?と不安が過る。
そして今日の新しい大学院での発表会。
彼の発表は「AI宗教」だそう。。。
斬新だ、斬新過ぎるだろう。。。
AIで宗教を作る…俺って頭イカれてるよな〜と楽しげに笑っていたので、変態の領域な事は理解して様子。
我が家は、日本に古くからある誰しもが知る普通の宗教。
彼は何の興味もなく、宗教を作りたいという事ではなく、そういう誰もしないことをしている自分に酔いしれているのだと思う。
若い頃に頂いた医学博士号も、その当時はあまり主流ではない分野での博士号取得だった。
新しい事、人と違う事、このカテゴリーもなかなか難しい。
次はといえば、寿司学校を検討しているらしい。。。
次は、お寿司屋さんを報告する日も近いかもしれない。
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