第10話 閉ざされた道

朝からご機嫌な夫。

先日銀行で私が手続きを終え、新しく用意した上の子の進学の道。これを諦めさせたからだ。

医学部ではない進学の道。


この数日、ジリジリと責められていた。

まさか、お前手続きなんてしてないよな?

ハイともイイエとも言わなかった。

煮え切らない態度が気に入らないのか、昨夜雷が直撃。

もしもその道に進むなら〜お前達には二度と会わない! 家を出ろ! 離婚だ! 家も売り払う! 今までの養育費を返せ!

新しい道は、歯学部だった。

私は、その道が誤った道だとは決して思わない。


だだ、選んだ後の事を思うと…上の子が自分で決めた。辞めておこうと。。。


ふと、今までにも何度か目にしたニュースを思い出す。

医者の子供が、浪人して何度も何度も医学部を受験し、最後には親を…という何とも心苦しい事件。


チラリと子供達を確認する。

子供二人で「アイツ頭おかしくね〜笑笑

ってか多重人格過ぎて〜草」

小さい頃から、こんな事を繰り返して免疫ができたのか、下の子の病気宣告の時に比べたら、全てが軽く感じる身体になったのか?  

とりあえず、メソメソはしでいなかった。

しばらく様子をみておこう。


それにしても、夫の多重人格…確かに。

朝からケンケンケケン〜ポー! ポポー! 歌とも奇声とも言える謎の単語を楽しそうに大きな声で発していた夫。

単語はいつも違えど、この光景はよく目にする光景だ。

彼の頭の中には、いろんな世界が広がっているらさしい。。。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る