第9話 離婚

こんなにまでして、何故離婚しないのか?

勿論、離婚を考えたことは何度もある。

実際、県のDVセンターに紹介された弁護士さんと面談し相談した事もある。

DVセンターは誰にも会わないようとても工夫されていて、私が来所したDVセンターは暗い雰囲気はあまり感じなかった。

何度も相談ダイヤルを利用していて、しかし来所には躊躇していたが、むしろもっと早く来所しておけば良かったと思ったくらいだ。

センターには、カウンセラーさんだけでなく、精神科の医師や弁護士さんといった方がいて下さる。

私は、その両方と各々面談した。

精神科の医師は、カウンセラーさんから御指摘を受け、夫の精神的な病を疑っての代理診断で。

これは、また別の時に話すとして…

離婚しない理由、それは…やはり下の子の病気。

下の子は、10万人に数人という希少な病を6歳で急性発症した。

見た目は普通。

良くも悪くも全くわからない。

ただ治療は、毎日取り組まなければ普通の暮らしは難しい。

そして、真面目に数値と向き合わなければ、将来的に合併症を併発するリスクが高くなる。

合併症は様々あるが、失明など…日常生活が一変する事が予想される。

2年前にも救急車で搬送され、その意識もなく激しく痙攣する姿に「離婚」という選択肢が少しずつ失われていった。

高額ながら、いつか移植できたらという小さな希望も捨てたくはない。

しかし、毎回長いお説法を聞く度に、揺らぐことはある。

だって人間だもの。。。

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