第7話
――
現在、自身の部屋でプレートにグレーウルフ魔石を取り込ませていた。
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グレーウルフの魔石
・グレーウルフが持つランダムスキル獲得
・ステータスUP(筋力、敏捷+2)
・グレーウルフのランダムドロップ品
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3個一気に取り込ませることができたので3項目を押していく。
「グレーウルフが持つ噛みつきとか覚えたら....」
魔物に対して噛みつきを行う自分を想像しかけたがやめた。
神様に祈るようにステータス画面を確認すると
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高野京 Lv,1
MP: 1
筋力:
防力:1
敏捷:
魔力:1
精神力:100
スキル:酸lv1・
固有アビリティ:「努力の形」
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「はぁぁ良かった~噛みつきじゃなくて」
咆哮は調べてみたところ敵と見なした者に大声を上げると敵の防力を下げる効果があるらしい。
そして最後に目の前に現れたランダムドロップ品は誰もが見たことのあるグレーウルフの牙だった。
グレーウルフの激レアドロップ品を求めてはいたが世の中そんな甘くないんだなってことで後ほど換金所で牙を換金するためにカバンに入れる。
スライムの魔石に関してはステータスUPの項目を選び、無事防力と魔力が上がった。
この日は久しぶりに感情の起伏が激しかったためかいつも以上に疲れを感じていた。
が、流石に明日もゲートを潜るつもりなので夜ご飯をしっかり食べ、入浴も済ませた。
何があったかは分からないが機嫌の良いお母さんが赤飯を炊いており、お母さんを少し不審がったが赤飯は好きなので美味しく完食した。
そして次の日、家では入念に装備の点検をし、バスの中では僕のことを見ながら馬鹿にした笑みを浮かべたり、ひそひそと会話する人達には、目もくれず必死に魔物への対処法を考えるため頭を働かせた。
G級ゲート:縁力の草原へと入った僕は一年前の失敗を活かすため初めからアイアンソードを抜き、周囲を警戒しながら草原を歩いていく。
縁力の草原では多少深い茂みがあり、そこによくグレーウルフが待ち構えているのはこの1年でよく分かっていた。
なのでこの出会いも必然なのだ。
「グルルルルルル」
「ふぅ....」
前回とは違い冷静にアイアンソードを構える。
筋力が少し上がったおかげかアイアンソードも片手で持ち、振ることができたので改めて魔石をプレートに取り込んで良かったと心の中で感じていた。
そして左手ではいつでも【酸】を発動できるようにしており、準備は万端だった。
グレーウルフから動く気配がないので【咆哮】を使いながらグレーウルフに斬りかかる。
「うぉぉおおお!!」
「!?グルルルル!!」
まさか自分の覚えている【咆哮】を自分に向けられるとは思っていなかったのかグレーウルフが怯んだ。
その瞬間を逃さないために足に力を入れ、全力で地を蹴りグレーウルフへと迫る。
グレーウルフも遅れてだが飛び上がり噛みつきを行おうとしたが、事前にそう来ることは分かっていたので冷静に横によけ背後から斬りつける。
「くらえッ!!」
「キャウンッ!」
そこからはグレーウルフが魔石を落として消えるまで斬りつけ戦闘終了。
「はぁはぁ、一人でも魔物と戦えるんだ」
あの時グレーウルフから植え付けられたトラウマも今、グレーウルフの死体と共に消えていったように感じた。
地面に転がっている魔石を手に取り、初めて自分自身の手で手に入れた魔石を感慨深く見ていると茂みから魔物の足音と共に一匹のグレーウルフが顔を出してきた。
「連戦ね....来いよ」
しっかりグレーウルフを視界に入れ、狩らなければいけない敵だと認識しながら【咆哮】を発動する。
「うぉぉおおお!!!」
気分が高揚しているせいか先程よりも声がデカく自分自身でもびっくりしたが
そんなことはお構いなしにグレーウルフへと駆ける。
グレーウルフは動かず機会をうかがっているようだった。
グレーウルフの顔に向かい横に斬ろうとアイアンソードを振るうが牙で止められる。
そのまま力を込めて押し切ってもいいがアイアンソードが折れては困るので左手に【酸】を垂らし、グレーウルフに向かって振りまく。
「キャウキャウッ!」
「もらったッ!!!」
ザシュッ
グレーウルフは酸に反応できず、体の至るところに付着してしまい、痛みでアイアンソードを口から離した隙に首を両断する。
首を落とされたグレーウルフは絶命し、霧となり消えた。
地面に落ちたのはグレーウルフの魔石と牙だった。
グレーウルフの牙は比較的安く売買されているため「牙持ってるし、せめて毛皮出てくれよ」とつぶやいてしまった。
その後はその日に覚えた戦闘での感覚を忘れないために、スライムとグレーウルフ交互に計4回の戦闘を行いゲートに向かった。
ちなみにドロップ品は魔石だけでため息が出てしまったが自分で魔物を狩る楽しさを思い出し、明日も来ることに決めた。
ゲートをくぐるともうすでに外は夕日が沈み終わった時間だったため比較的空いていた。
ただ、一年間換金所に来なかった冒険者は珍しいので京の姿を見た換金所の受付係にはびっくりされた。
非力なことを知っているのだろう。
「無茶は絶対しないように」と忠告された後に牙2個の換金をしてもらった。
牙2個でたったの500円だったが、今の今まで自分の力で冒険者として
お金を稼げたことがなかったので受付係のお兄さんを前にして泣いてしまいそうだった。
「なんであの荷物持ちがここ来てんだ?」
「社会見学でもしに来たんじゃね?ww」
と僕にも聞こえる声で談笑している二人組に目もくれず換金所を後にする。
家に帰った後は、お母さんが沸かしてくれていた湯舟にもゆっくり疲れを取るように浸かり、その日の夜ご飯も美味しく完食した。
明日すぐにゲートへと行けるように武具の点検をして眠りについた。
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どうも、
「努力の形」歩みを止めるのは俺次第をお読みいただきありがとうございます。
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気軽によろしくお願いいたします。
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