猫額をみとめし示指のとうちょうよ

※びょうがくを みとめし じしのとうちょうよ


眠る愛猫。

寝顔が、相変わらずかわいいなあ。


今日は、座布団を枕にしているのか。


座布団の端に、頭をのせて。


猫の額が見える。

頭頂部も、見える。


かわいいなあ。さわりたいなあ。


いつもなら、寝ているときにはできるだけさわらないようにしているのだけれど。


……今日だけは、許してほしい、出来心。


猫の額にそっと、人さし指をのせてみる。


……起きないね。


それなら、と、少しずつ、人さし指を額から動かしていく。


額から始めて。

ちょんちょんちょん、と、頭頂部まで。

ゆっくりと、注意しながら、静かに人さし指を動かす。


そう、これは、人さし指の、猫山登山ねこやまとざんなのだ。


やがて、頭頂への登頂が、無事に成功。


やった。嬉しいなあ。


でも、もちろん、今日だけだよ。

そっと、人さし指を頭頂部から外す。


秘密の登頂を、許してね。


起きたらすぐに、ご飯にするからね。



※みとめる、には、認める、と見留める、を掛けております。


そして、とうちょう、には頭頂、と、登頂が掛かっています。


猫額は、猫の額のことでございます。

示指は、人さし指のことです。


※愛猫の安らかな寝顔を見ていたら、つい、してしまった人さし指での猫の額から頭頂部への猫山登山。


なんと、頭頂への登頂、完遂です。


本当に、今日だけです。


これからは、愛猫の眠りをわざと妨げたりはいたしません。

……多分。


いつもでしたら、初句『毛玉ある其をつつくのは憚れり』のようにつつくのを我慢する飼い主さんなのです。

ですが、今日は愛猫の額から頭頂部にかけてをじっくりと見てしまい、そのかわいさに、ついつい、人さし指での指登山をしてしまいました。



※本句は、参加中の猫さん自主企画主催者様であられます虹乃ノラン様の近況ノートから詠ませて頂きました句でございます。

本句の作句ならびに投稿につきまして、ご快諾を頂きました虹乃ノラン様、誠にありがとうございました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る