8話
茉莉花side
大臣が仲間になったのは私たちからすると最大の駒となった。私はその日お父さんと一緒に警視庁に行くことになった。昔だったら久々のお父さんとのおでかけで嬉しいー!って思ってたけど今は最悪。だけど持ち前の演技でお父さんと肩を組みながら歩く。
「お父さんと出かけられるの久しぶりで嬉しい!」
「ごめんな、警視庁なんかで……できればもっといいところ連れて行けたらよかったんだけど……」
とお父さんは一応お父さんとして私に振る舞う。嘘つけ、いっつもお母さんに任せっきりで私の好みとか把握していないくせに。だけどたまにこうやって警視庁に連れてきてくれるから情報とか銃弾の扱い方とか目で覚えられるようになった。
「あ!
「お!松村さん!今日もお疲れ様!」
そこには浮気相手の松村夏穂がいた。私は怒りを抑えてニッコリと笑って
「こんにちは!いつも父がお世話になっています!」
と挨拶した。すると私のことはなにも分からない松村さんが
「あらー?月城さんの娘さんなのー!?お母さん似なのねー!」
とニッコリと笑って私に近づいてきた。私は手を出し握手を交わす。
「私がママだったら絶対可愛がっちゃう〜!!」
と下手くそな演技に私は呆れているとお父さんは本気にしたのか
「あはは!そりゃたまらんなぁ」
私は2人に心底うんざりしたので、あることを仕掛ける。
「あ、お父さんごめんね!お手洗い行ってくるね。」
「あぁ、わかった」
「場所わかるよね?」
「はい!松村さんありがとうございます!」
私は急いでトイレに駆け込み
「崇裕、今日は集会よね?」
とバッジに話かけると
「そうだ。例の計画やるか?」
「もちろん」
私はトイレで急いで警視庁の集会で使われるネットワークをハッキングし、収録を開始した。
「集会と言ってもただの罪消し、その中で1つ面白いことを入れられないかな?」
んー、どうしようかな?お父さんの困る顔見たいなぁ。前は下剤だっただけで……
「今日はあの女がターゲットのほうがいいなぁ」
考えているとトイレの中から女の人たちが
「不妊治療はじめようと思ってるんだけど……」
「えー!それ大丈夫?」
それで閃いた。
「松村さーん!これよかったら!」
「え……あ、ありがとう!後で……」
「えー!冷めないうちに飲んでください!ルイボスティー」
実はさっき握手したときに気づいたことが2つある。1つ目は松村さんのポケットの中に妊娠検査キットが入っていて陽性だったこと。もう2つ目は彼女の匂いがおかしい。きっと麻薬をやっている可能性が高い。だから私は握手をしたときこっそりわざとお父さんのいる左側から握手をし、左手でこっそり私が耳元につけているイヤリング兼小型カメラで陽性の証拠とポケットに少し付着していた白い粉をハンカチでバレないよう一瞬で拭き取った。
「わ、わかったわ!ありがとう」
とニッコリと笑って松村さんはルイボスティーを飲んだ。お父さんはなにも気づいていない。
だってルイボスティーが流産しやすい飲みものだなんて……
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