7話
陽side
次の日俺とお母さんは松村大臣の元へ向かった。お母さんはルンルンの気分で歩いている。俺は緊張して仕方がないのに、なんでお母さんはルンルンなのか不思議に思った。松村大臣の家の入口前に警備がいて、威圧感がすごかった。しかし
「やっほー!おじちゃん!」
「おぉ!ルナじゃないか!今日も松っちゃんのところ?」
「そー!だから通してー!」
「いいよー」
まさかの第一関門突破。
「ねぇ、なんで簡単に通れるの?」
と聞いたら
「え?だってあの人は警察ってことだからさ、蓮実の家族との繋がりがあるし、私の旦那警視庁のトップだから大臣とのつながかりも深いのよ。」
よくよく考えてみればそうだったと俺は肩を落とした。
そしてインタホーンを鳴らすとそこには
「ルナ!元気にしてたか!」
「やっほー!松っちゃん!」
そこには大臣がいた。大臣は思った以上に好印象の人だった。
「息子の陽!」
「おぉ!君が!」
大臣は俺を見つめるとニコリと笑って家の中に招き入れてくれた。中はとてもゴージャスで俺たち凡人には程遠い生活をしているのだろうと考えた。
「今日はあの件についてか?」
「うん!そーだよ。」
昨日お母さんは大臣にメールを送っていたらしい。
「証拠はこれ。それにあなたの奥さんも。」
「本当だったのか……」
「信じたくないよね」
「あぁ……」
大臣の瞳はとても悲しそうだった。そりゃそうだ。唯一の家族に裏切られてるわけだし。
「どうする?もし離婚ってなるとあなたの立場も危ないよね?証拠は揃って請求もできるけど。」
「どうすれば……」
大臣は考え込んでいる。そこでお母さんが
「絶縁したら?」
「ルナ!お前……!」
まずい、大臣が腹を立てた。しかし大臣は
「分かってる……俺も実は気づいてた。5年前から……だけど5年前はちょうど大臣に成り立てだったから……世間の目が怖くて……」
大臣は涙を流しながらそう言った。
「松っちゃん、忘れたの?困ったら助け合うって。今回は私が助ける番だよ?」
とお母さんは手を差し伸べると松っちゃんは顔を上げて
「ルナ。俺と一緒に戦うとなるとお前たちの家族まで危なくなるぞ?」
と大臣は言う。だけど俺たちは
「「覚悟を決めてここに来たから」」
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