無盾(むじゅん)
あさのたけし
本編
ブラウン管のザラザラのようなノイズが走り悪夢を見た時、僕の現実も一変した。
僕はいつものように仲間と悪巧みをした帰り道、仲間と分かれて一人で帰る。すると手で大きくバッテンを作りながら何やら慌しく大人たちが動き回る。その中には警察官や救急隊がいる。そして何やら好奇心で見てみると、大きな建物が焼け、もう一人の"ボク"が焼けこげになり、運ばれていた。「ア———」僕は口より先に足がこの場から逃げなければ。
扉を開けるとそこは家の見られた玄関だった。「ハァ、ハァ、なんだったんだ」あれは幻なのか、現実なのか。気晴らしにテレビをつけても同じ暗いニュースばかり、次第に被害妄想が拡大する。自分の部屋に行くとまた夢の中でブラウン管のザラザラのようなノイズが走り、日常を終わらせると帰り道また同じ光景、同じニュースに遭遇する。次第に脳の真ん中からひび割れるように開いてはいけない回路がヒラク。
目を覚ますと今度は家ではなく、手術室で脳手術が施された。そして家に帰ると僕は赤子に戻っていた。
そして僕は親のお乳を吸ってる時に包丁で殺害したが不思議なことに警察、救急は来ず、次々と◾️◾️が復讐へ僕を刺しに来る。
そして、目が覚めると深夜を回っていて僕はふと外を出歩いた。と、何故だか昼間の警察官は残っていて、火災した建物も元に戻っていた。
ああ、僕はニセモノで"ボク"が本物なんだ。
それに気づいた時この世界は崩れていく。ニセモノが本物に勝てない通りはない。
たとえ現実の自分が傷ついても——
無盾(むじゅん) あさのたけし @ggang_745
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