眠りの前に

 時に、月の光は日の光よりも快い光を放ち、仄かにこの地上を浮かび上がらせる。


 それは夜に隠された何らかの悪や誘惑を斥け、愛を生じさせる和やかな明かりだ。


 私は隣に眠る愛する人の頬に触れる。


 彼女を愛おしいと感じることに、私は私の愛をはっきりと信じることが出来た。


 彼女が私に愛を囁いたときと何ら変わらないものを、私は今確かに感じている。


 たとえすべてを覆い隠す暗い夜であろうとも、私はこの温もりを見失うことはない。


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