第6話

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『魅力無双』コミカライズ版 第7巻

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「あなた、もしかして多重転生者ですか?」



そう言うと、女神は俺の顔をじーっと見つめた。


多重転生者?なにそれ。


「さて、そろそろおいとましますわね」


女神が急にそう言った。


「え?ちょっと、まだいろいろ…………」


意味深な言葉だけ残して消える気か!?


経験値の謎わい!!


謎ができたら解決するのが名探偵コナンのルールやろがい!


「わたし、あなたのお母さんでもドラえもんでもないんですよ。わたしのこと、美少女ドラえもんだと思ってません?」


いや、ぜんぜん思ってません。


「転生者よ、未知の世界を切り拓く者よ、この世界での道行きに迷いしとき、そのときはまた我を呼ぶがよい」


あ、今、急にテンプレートなセリフに切り替えたな。


ぱぁああああああああ


光が強くなって、女神は消えた。






って、経験値の謎わい!!!




「…………誰と話してるの?」



赤髪美少女が牢屋の前にいた。



うぉおおおお。超……絶……可愛い。



こんな女の子とキスできたら一撃でスタンド能力開花する自信ありやす。弓と矢いらねえッス。


「エミリヤたん!!」


「誰よ、それ」


赤髪美少女は食事を持ってきてくれたみたいだ


「あの、ケガだいじょうぶ?」


「あんなケガ、宿屋で休憩すればすぐ治るよ」


「ほかの兵士の人たちってあの…………」


「みんな、『ふっかつのじゅもん』で生き返ったよ。神父は500人もいっぺんに蘇らせて過労死しかかってたけど」


良かったーーーー。内心、人殺しになったんじゃないかとビクビクしてたのだ。下手すると処刑されるかもとか。さすが異世界。HPがゼロになっても復活できるらしい。


「あんたがドラゴンを倒してくれてなかったら、城も街も焼き尽くされていたかも。あんなに強力な魔物が攻めてきたの、初めてだったの」


最強のモンスターが攻めてきた場面にぽんって俺を落とすなんて、あの女神はドSか?


俺が外れスキルの持ち主だったら即死してるだろ。


「あの…………」


赤髪の美少女はもじもじして


「ありがとう」


………ヤバい。泣いていいですか?


「わたしの名前はリト。あんたの名前は?」


「マサムネ」


なぜかリトはそわそわしながら囚人飯に食らいつく俺を見てる。


「…………あの、さ」


「ん?」


「マサムネって、もう奥さんいるの?心に決めた相手…………とか」


心臓がバキューンとうちぬかれた。


「え、いや、その、彼女のひとりやふたりいねえわけじゃねえけど、その…………」


うわぁ。なにイキって盛ってんだ、俺、ダセェ


「結婚なんかぜんぜんしてないし、その…………でも、童貞じゃねーかんな!」


1番、童貞か言うセリフじゃねえか!


「そっか…………」


顔を真っ赤にしていたリトが微笑んだ


「…………良かったぁ」



また心臓がバキューンとうちぬかれた




なにいまの、え?告白?展開はやくない?


牢屋のなかで身もだえながら、さっきの会話なんどもなんども反すうしていた。


なにかが爆発しそうだ。


食べ終わった皿を下げにきた見張りの兵士がニヤニヤしてる。文春の記者みたいにニヤニヤしてる。いやイメージだけど。


「リト将軍はな、かのウォーグレン家のご令嬢なんだ。自分と戦って倒した男と必ず結婚しなければいけないって鉄の掟を持つ、あの武人の家系だ」


は?なんだその掟。


「この国にリトさんと決闘して勝てる男なんか一人もいないからな。あの女傑は一生、独り身か?なんて噂されてたんだけどな。お前さんも、とんでもないお方に惚れこまれたもんだな?」



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