「芸術に付き合う」


昼下がり、眠気が襲ってくる時間だ。大きく伸びをしていると同じ様に彼も伸びをしていた。せっかくの休みの日なのに付き合わせてごめんね。「いいよ、キミと会える時間が増えるんだから」彼の目にもクマがいる。自分の体が女だから参考にならないんだよ。さぁ、続きをしよう。卒業制作用男体デッサン。



ある日、美大生彼女に真剣な顔でお願いされた。「モデルやってくれない?」僕を卒業制作に使いたいらしい。別にいいけどインドアな僕の体は、キミと変わらないだろう?「わかってないな。まず骨格が違うんだよ。骨格が」骨と筋肉の講座を聞かされる。次の日、僕はプロテインと腹筋ローラーを購入した。

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