1-3
遭遇した、蜘蛛の魔物は全員排除した。しかし、倒した際に、とんでもない、トラブルに合い、アジトに戻ってきた。
そう、任務は失敗に終わったしまった。
僕達は、あの蜘蛛の魔物を倒すことはできた。しかし、倒すことができたなの、こんなことになるなんて。
「ユンヌ!! 一体……、一体、どうしたっていうんだ!?」
僕とヴァルハルト、そして、うずくまっているアスラが医療室の前で、待機しているところに、シグマとマティアスが駆け付けてきた。
「蜘蛛の魔物の襲撃にあったんだ。それで、ユンヌは、そいつらにやられた。幸い、かすり傷だが、奴らには毒があったんだ」
僕達は、怪我を負ったユンヌお姉ちゃんをアジトへ連れて帰ったんだ。そう、ユンヌお姉ちゃんは、あの蜘蛛の魔物の置き土産にやられたんだ。しかも、その置き土産には、毒が含まれていて、ユンヌお姉ちゃんは、その毒にもやられたんだ。
現在は、ネールがユンヌに解毒を試みていた。
にしても、ユンヌお姉ちゃんが毒にやられて運ばれた時、ネールは血相を変えていた。あのネールだよ。悪女と言われている女で、解放軍に所属している限り敵を倒すのは当然だけど、戦闘不能の相手でも、痛めつけていたぐらいだ。最初こそ医学の知識を振舞わなかったが、どういう、風の吹き回しか、急に医学の知識を始めた。
「何だって! 危険は付きものだが、勇能力が使えるアスラが同行していただろう? ユンヌは体が弱いから、使うと不可が掛かってしまうから使えない、アイラは実践が乏しいから、アスラが頼りだったけど、一体、何が起きたんだ?」
「確かに、魔物は簡単に倒した。しかし、それが罠だった」
「どういうこと?」
「俺達が遭遇した蜘蛛の魔物は、足が取りやすくなっていて、足が斬撃などで足を切断すると、足が吹っ飛ぶようになっていたんだ」
「何だって!? そんな魔物がいたのか?」
「ああ、俺の炎の魔術で、蜘蛛の魔物の一体を倒すことが出来た。しかし、燃え行く中で、蜘蛛の魔物の足が取れたんだ。魔物の体は丈夫だと聞く。それなのに、足が簡単に取れるなんて、考えられなかった。もしかしたら、奴らの体自体硬いが、その体を倒す攻撃、つまり、自分以上の危険な存在を道ずれにするための機能かもしれない……」
「斬ったら、飛ぶのにか? もしかしたら、火の魔術で燃やしたら、飛ぶ機能が失われるのか?」
「それは、分からない」
そう、アスラが、あの蜘蛛を大技で切り付けた瞬間、足が矢のように飛び出していった。
災厄なことに、アスラは一片に蜘蛛の魔物を倒したから、千切れた足が無数に飛び散ったんだ。
アスラは勇能力の固有能力の障壁で、守られていた。ヴァルハルトは勇能力はなかったが、剣技で防ぎ切った。
肝心なのはユンヌお姉ちゃんだ。ユンヌお姉ちゃんを守るために僕の目の前に岩の壁を出現させた。だけど、防ぎきれず、岩の壁は、壊されてしまった。幸い、僕は障壁があったから、守られたけど、ユンヌお姉ちゃんは片にかすってしまった。かすただけだけど、奴らには、毒があった。アジトを尋ねた、人と同じ症状がでたため、一時撤退する羽目に。
「だから、ヴァルハルトさん、それに気づいて、蜘蛛の魔物を倒そうとした、アスラを止めようとしていたんだ」
確かに、ヴァルハルトは『そいつら、足が簡単に取れる。明らかにおかしい、攻撃をやめるんだ』と忠告したんだ。
「待てよ! アスラ、お前、ヴァルハルトが何かを伝えようとしていたのに、聞かなかったのか?」
何だが、空気が変わった。マティアスの目を見開きながら、アスラに近づき始めた。
「せっかく、ヴァルハルトが、魔物の特性に気づいたかもしれないのに、お前は、それを聞かなかったていうのか?」
「ああ」
アスラは言い訳もせずに、返事をした。
「……ふ、ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!」
バッシーーーーーン!!!
マティアスがアスラの顔面を思い切り殴った!
「落ち着け! 頭の良い兄ちゃん! 俺の場合、運が良かったんだ! 下手したら、魔術で足が飛んでいたかもしれない……」
「それでも、お前は、分析した! そして、その魔物の危険性に気づいた! それで、忠告したにも、関わらず、こいつは……、こいつは!!!」
マティアスは仰向けで倒れた、マティアスの上に乗っかり、殴り続けた。
アスラは抵抗もしなかった。
いつも、温厚なマティアスがここまで激怒するなんて。
「やめろ! マティアス!」
シグマが、アスラを殴り掛かるマティアスを押さえる。
「離せぇ!!! 離せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
抑えながらも、暴れ出すマティアス。
「ヴァルハルトすまない! アイラを、この場から離すんだ!」
「分かった!」
僕はヴァルハルトに抱えられたまま、連れていかれた。
この件以降、『燃え上がる闘気』と呼ばれていたアスラは、『灰塵』と呼ばれる程、大人しくなってしまった。マティアスも温厚だった人柄から、冷血な人柄へと変貌っしてしまった。
のちに、分かったことだけど、僕達が向かうはずだった村は、救助が間に合うず、壊滅した。
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