【親子それぞれの考え・・・】2話

「何を言うておるか!!

絶対に地球に詩菜。

あの娘を渡すわけにはいかぬ!!」


釈迦「父上も頑として引きませんね。

・・・では!、、私も同じく

頑として引くわけには参りません。。。」


父上「ふんっ!、、リオンの夫など、、

詩菜に相応しくもないわ!!」


釈迦「あら、それは、『今は・・・』

にございますよ。

彼らは、詩菜によりこれから、大きく成長を遂げていく事でしょう。


詩菜は、『教科書』でありますから。

父上が育てた、新たなる

『教科書』です。


最強かもしれませんね・・・」


父上様の表情が一気に歪む。

「あの娘をもてあそぶような真似、

絶対に許さぬ!

そのような事が見受けられた時には、

即刻中止させ、私が連れて帰る!

良いな!!」


父上様はそう言うと、部屋を後にした。



暫くし、入れ替わりにやってきた方々が・・・

上筒と底筒だった。


上筒「父上様は、相変わらずなご様子ですね。」


釈迦「詩菜を断固として渡さないと。

そのように言われておりましたから。」


底筒「中筒は、これから戻る先がリオンだと疑いません。

あの娘がリオンではないと知らないのですよね?」


釈迦「知る由もありません。

又、知られてはならないかと。

リオンの夫である彼ら皆様の、成長の為には、詩菜が必要不可欠となります。


リオンでは、これ以上は望めないのです。」


上筒と底筒は、顔を見合わせると神妙な表情へと変わる。

上筒「お釈迦様・・・

詩菜にりお、リオンからのものを引き継がせて、真に大丈夫なのでしょうか。。」


底筒「私達、三神は、詩菜の誕生の際、あの場所におりました。

ですがあれ以来、会ってもおりません。

どのような娘なのかは・・・

わかりませんが。。


中筒を思うと・・・」


釈迦「中筒様はリオンを取り戻した暁には、リオンを后へと考えておられるようです。

ですが、私は心は変わると考えております。」


上筒「どういう事なのでしょうか?」


釈迦「詩菜を見ていけば、自ずとわかるかと・・・」


お釈迦様は、ただそう言われただけに留まった。


そうなのだ。

この時の皆は、リオンばかりで詩菜の存在など知らない者。


又、知っていても、どのような娘なのかなど知る由もなかったのだ。


知っているのは、俺とシリウス。

そして・・・


お釈迦様、父上様親子。


詩菜の内側にいたロイ親子


のみだったのだ・・・・



・・・・・・・・

父上様は、俺達の元へと戻られると直ぐに、俺、ウェルヴィンを呼ぶ。


「ウェルヴィンよ。

これから話す事をよく聞くのだ。


私の息子、釈迦は詩菜を地球へと

留まらせるつもりぞ。

つまりは、地球からは、出さないと言うわけぞ。


そのような事は、あってはならん。

詩菜は、なんの為に誕生したと。


我ら種族の為ぞ。

あの息子ですらも、、種族の為だったが、、、地球へと送らねばならなくなり。。


今に至る・・・


息子ばかりか、、娘まで差し出すなど・・・」


ウェルヴィン「父上様・・辛いのか?」


父上「ウェルヴィン、私は父でもあるが、長でもあるのだ。

種族の繁栄も考えねばならん。


良いか。

詩菜の事。

しっかりと頼むぞ。」


父上様からの悲痛な心が伝わるかのように感じた俺だった・・・













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