【親子それぞれの考え・・・】1話

釈迦「・・・リオン。

いよいよ、最期を迎えます。。」

お釈迦様は時迫る頃、お一人想いにふけっていた。


リオンはと言うと、伊邪那岐命様ご夫婦の元、伏せっていたのだ。

今暫くすれば、ロイ邸宅へと送り届けられ、最期を迎える。


夫達は悲しみの中、彼女を取り戻す為の取り組みに向けて計画が何度も話し合われていた。


ジャンは、悲しみに暮れ、アリオスも・・。


そしてこの男、ロイ・・・。

彼はただ静寂な心の中で覚悟を決めているかのようだった。

「リオン・・・」

何とも言えない気持ちが彼を包む。


ロイは、自分自身の一部へと感情を送るのだ。

当時の彼の一部は、父である生命の神の一部と共に、なんと詩菜の内側へとおり、彼女の魂の側にいたのだ。・・・・


つまり、ロイは彼の邸宅と、詩菜の内側へ。

そして、リオンの魂を磨き続けていた、生命の神は同時に詩菜の魂の側にもいたのである。


詩菜の内側にいたロイ。

彼の目的は、リオンを詩菜に守らせ、取り戻す事だった。

そして、本体とも言える邸宅にいる自分には、その情報を伏せていたのだった。


つまりは、邸宅にいる彼は、リオンの誕生だと疑いもなく、それが、実はリオンではなく、詩菜の誕生だとは知る由もななかったのだ。


俺、ウェルヴィンが詩菜の誕生の際にいたあの場所に、ロイの一部とした彼がいたわけである。


・・・・・詩菜の内側にいるロイと父


ロイ「父さん、いよいよ、リオンがこちらへとやってくる。 相馬の邪念と共にだ。

私は必ずリオンを取り返す!!」


強い決意のロイ・・・


だが、父である生命の神は、ある予測を立てていたのだ。

「ロイ・・・

リオンを愛しているのだな。

だが、その想いとは、全く別の感情が、お前の心に芽吹くだろう。」


ロイ「全く違う感情?

なんだ、それは。 

まさか、私がこの娘に気持ちが移るなど、言うのではないよな? 

はっきり言う、有りえん!

私が永遠に愛するのはリオンただ一人だ。」


父「今にわかる・・・」

(お釈迦様よ・・・頼みましたよ。。


詩菜と言う娘・・・。

地球へと導かねば・・・・。。。)



・・・・・・・お釈迦様邸宅


「いよいよであるな。お釈迦様よ。」

父上様は、息子であるお釈迦様の元へ訪れていた。


父上「良いか、私は絶対に譲らぬぞ。

詩菜は、我ら種族の者であり、私の娘である。

一定期間である!

良いな、一定期間だけ、そなたにあの娘を預ける!」


釈迦「何度も申し上げました通り、

私も、父上、譲りません。

詩菜に全てを引き継いで頂きます。

リオンでは、これ以上は無理だと、判断しております。」


父上「ならば、なぜにリオンを誕生させたのだ!!」


釈迦「それは、一つの賭けにございます。」

父上「なに?、賭けだと?!

ふんっ!、、お前らしくもない!

初めからそのように仕組みおったな!」


お釈迦様は、ほんの少し笑みに含みをもたせると

「父上には敵いませんね・・・

リオンは、綺麗過ぎたのです。

綺麗が故に、脆く・・・

壊れてしまいます・・・・


ですから、ただの綺麗なだけではなく、

綺麗であり、尚且つ、強く逞しくならねばなりません。」


父上「それを詩菜から学ばせるのか?」


釈迦「いいえ、詩菜。

あの娘には、きっと、リオンは太刀打ちできないでしょう。

もっと言えば、リオンの夫達もです。


彼らは、誰一人として、詩菜の心を捕まえるなどそう簡単にはいかないはずです。


思い通りには決してならない・・・

そこに、リオンには無いものを彼らは、見出し、強く惹かれていくでしょうね。。


片思い・・・。。。」


お釈迦様はクスッと父上様に向けて笑って見せた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る