【試される想い】4話
「お父様・・・」
悲痛な表情な詩菜を前に、父上様は静かにお茶を注ぐと、彼女に差し出した。
父上「詩菜よ。なぜにそのような顔をするのかのう。
シリウスとリオンが結びをとなるのが、ショックであるのか?」
詩菜「・・・」
何も答えられない彼女を見てため息をつかれた父上様は、
「詩菜よ。 シリウスに特別な気持ちでもあるのかの?」
詩菜「特別?」
父上「そうじゃ。 シリウスを慕っておるそなたの事。
シリウスからの愛は自分ではないと。」
詩菜は、頷くと自分の中にあるぐちゃぐちゃな感情を整理するかのように話始めた。
「シヴァ様の事、特別とかは、わかんない。 でも、、好きなんです。
でも、、シヴァ様は違うんだって・・
私の事なんて・・・。。」
父上「詩菜よ。
その『好き』とはどのようなものなのかの?」
詩菜からは「???」しか返ってこない。
父上「良いか、詩菜。
『好き』もいろいろであるよ。
もし、リオンとの結びをシリウス・・・ではなく、、、ウェルヴィン、又はキムならどうであるのかのう。」
詩菜「え?・・・?」
父上「そなたは、まだ『恋』も『愛』も知らぬ。 これからじゃよ。」
詩菜「恋? 愛?って、、なんですか?」
父上様は、微笑むと
「何、そのうちにわかる。」
ただそう告げた・・・
父上「おぉ! そうじゃ!
地球でのお遣いがきっと、その『恋』『愛』の勉強になるであろうな。」
詩菜「勉強?、、ですか?」
父上「そうじゃよ。
リオンの代わりを努める中で、リオンの夫達からの想いに触れるであろう。
そなたは、リオンの夫達も一定期間引き継ぐのでな。」
詩菜「引き継ぐって事は、私の事を好きではないわけよね。。。
お父様、リオンちゃん、帰ってくるんだよね?」
父上「あぁ。帰る。 だが・・・
どのような形での帰りとなるのかは、わからぬがの。。。」
詩菜は、ただ考えているようだった。
詩菜「恋・・・愛・・・。。。」
父上「今のそなたに話すのもだがの。
ウェルヴィンだが。」
詩菜「ウェルヴィン?」
父上「ウェルヴィンが『シヴァ神』の一部である事は、以前に話した事があるであろう。」
詩菜「はい。」
父上「そのシヴァ神だが。
ウェルヴィンの本体となるのだが。
その神にそなたを預けるようにもなる。 そして、、シヴァ神にも妻がおりな。
いや、又、混乱するであろうからの、
知らせておく。」
詩菜「シヴァ神様に妻・・・と言う事は、、ウェルヴィンの妻でもあるって事?・・・になるのかな。。」
暫く、考えを巡らすも、シリウスの時のようなショックさはない詩菜だった。
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