【宇宙の中の地球】2話

「すみませんが、、あまり近づかないで頂きたい。

この娘が恐がります。」


俺が彼らにそう言うと、やはりな返事が返ってくるのだ。

「そんなに恐がらずとも。

君がこの子に言ってあげれば、どうだい。『大丈夫だ』と。」


俺はとても嫌な気持ちになる。

(なぜ、あんた達に詩菜が合わせなならん?

詩菜の気持ちを考えろよ!!)


父上様を見れば、これまたニヤリだ・・

(なんなんだ!?、、いったい、、

やはり、、父上様も悪どいわけだ・・・)


俺は大人の気持ち中心な感じが嫌で仕方ない・・・

「貴方達は、この娘に何をしに来た?」


ちょっと、怒り気味な俺の感情が相手に伝わったのか、反論してきた。

「君は、知らんのかね?

この娘は、宇宙側の役目を担う娘だ。


多くの種族と関係性を作って行くようになる。

その前段階で我々が幼いうちに、関わればスムーズに事もいくだろうと。」


「はぁ~・・・

それが、これだと?」


相手が気分を害したのか、突っ込んで話をしてきた。

「君こそなんだね、この娘を独占している。 先程も言ったが、この娘は多くの種族と関係していくのだ、幼いからこそ、大人に慣れた方が良いと考えるがね。」


「慣れるねぇ・・・

なら、慣れさせてみてはどうだ?」

自分でもなんでそんな事を言ったのかわからない。

だが、絶対にこの者達には詩菜が懐くとは考えられなかった。


いや、自分の本能が絶対に無理だとわかっていたかのようだった。。。


俺からの言葉に相手はそらきたばかりに、父上様に申し出るのだ。

詩菜と関わるのを許せと。


父上様の表情から滲み出る、

『待ってました!』

が見て取れた。


詩菜を見れば、不安や、怯えるといった感じではなく、全く違うように感じた俺。

それは、今まで見たこともないような雰囲気だった。

(詩菜・・?!、、どうした?、、)


彼女は、俺の腕を掴み初めて見る大人をじっと見ている。

その目つきというものが・・・


(誰だ?、、、詩菜の内側に、、誰かいるのか?)

そう思うくらい、別人に見えたのだ。


そんな詩菜を見返すように見ていた彼らは、父上様からの許しを得た事で、気分良くして帰っていった。


彼らがいなくなった後、俺は直ぐに詩菜を見る。

彼女は、スヤスヤと俺の横で眠っているではないか。


(寝ている?、、さっきの詩菜は、、、?

いったい、、なんだ?)


見たこともない詩菜のあの目つきを思い返しては、何かあるのだと感じざる得なかった・・・

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