【父上様が選んだ二人】2話

父上「詩菜が誕生し、暫くになるが。

やはり、成長が停滞しておる。」

やけに深刻な表情だ。


「愛情が足らないからなんだろ?」


父上「そうだ。

あの娘に必要な愛情が足りぬ。

子供嫌いだった、お前も随分と詩菜とは、関われるようになってきたと言うが。。」


「シリウスか?」


父上様は神妙になるのだ。

「シリウスからの愛情は、今は確かに足らぬが。。原因はそれだけではない。」


「なんだ? 他にもあるのか?」


父上「ウェルヴィンよ、あの娘が眠り目覚める時。詩菜は独りであろう。」


「そうだが。 なにか?」


父上「お前が共に添い寝し、寝起きを共にしてやるのだ。」


「は?・・・いや、俺は、詩菜が眠っている間、仕事に行くんだが・・・

起きている時間は、なるべく一緒にと考え、、、それでは、俺の仕事は、、


あ!シリウスが帰って来た時に、動けば・・・」


父上「いや、四六時中である!」


「し、四六時中?!

それは、、無理だ!」


そう、俺は抱える事が多く、一緒にいてやりたくても、仕事の方も気になるわけで・・・


だが、父上様は一度言い出したら聞かない・・・

観念するか・・・

だが、俺がいない穴をどうする。。。


地球やら、宇宙関係などあちらこちらへと応援やら調べたりと、やたらとやるべき事が多いのだ。


だが、地球の人達のように、収入がなくなり生活に困ると言ったことはないわけで・・・


大事な詩菜と自分の使命・・・

どちらが大事なんだと言われそうだ。。。


父上「そうか。。確かに・・・

お前の抱える事は重要である。。


ならば・・・

預かり先を決めねばならぬ。。」


俺は正直驚く。

あの父上様が、すんなりと引くなど、、

見た事がない・・・

どうしたんだ?、、

拍子抜けする俺・・・・


この頃の俺は、詩菜に対して、

『愛おしい』と言う思いはあれども、まだまだ『愛する』なんてものには、程遠かったのだ。


「父上様が育てるとはならないのか?」


何気なく、尋ねてみた俺。


父上「私が育てたのでは、何の意味もないのだ。。。」


全く意味がわからない。

と言うか、誰が育てようが・・・

必要な愛情が注がれると良いのでは?


相手が俺とシリウスだからか・・・?


俺は勝手に詩菜の相手は、俺とシリウス

だけだと。

そう思い込んでいたのだ。

『一妻多夫』とは、、、

ウェルヴィンとシリウスだと・・・・


それが、違うなど疑いもなくだった・・






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