第11話 初めて抱く感情①

「なんか、、段々わかってきたぞ。」

俺は、相変わらず詩菜との距離を取りつつ、見学していた。


シリウス「詩菜!、、歩くの上手だぞ!

ほら、、こっちだ!、、おいで!」


(シリウスは、上手いよな・・・)

シリウスが詩菜と遊ぶ姿が、なんだか

ちょっと悔しい俺。


詩菜が転んで、いつもは泣かないはずが、泣き出した。

(珍しいな、、いつもは、、泣かないはず・・・)



シリウスが慌てて抱き起こしあやすも、中々泣き止まない。


シリウス「どうしたんだ?

泣き止まないぞ、、、、・・・・・!

もしかして、、、!」


シリウスが何気に俺の元へと連れて来る。

「は?、、俺?、、泣き止まないだろ?!」


なんて言いながらも素直に詩菜を抱いてやれば。。

「嘘だろ?!」

詩菜は直に泣き止んだ。


ホントに不思議だったんだ。

(なぜだ?、、シリウスに懐いてるはずだろ?)


シリウス「やっぱりな・・・」


「やっぱりって、、なんだよ。」


シリウス「愛情が欲しいんじゃないか?

ほら、俺はさ、日頃から沢山注いでる。

でも、ウェルヴィンは・・・・」


「いや、、そうだとしても、、

こんな小さな子に、、わかるのか?」


シリウス「人の子でもさ、人見知りとか、好みとかあるんじゃねぇか?

特に、母親からの愛情を欲していればさ、どうにかして貰おうと、本能が働いたりさ。」


「そうなのか・・・」

俺はまじまじと詩菜を見ると、

指を、加えては既にスヤスヤだ。。。


(愛情ねぇ・・・・)


シリウス「後は頼んだぞ、」


「おい!、、もう帰るのか?」


シリウス「仕方ないんだ。

俺もずっと、側にいてやりたいし、

一緒に居たいんだがな・・・」


「リオンか・・・・」


シリウス「あぁ。。。かなり成長してきてる。ジャンとの関係が出来つつなんだ。。」


「そうか・・・・このままリオンが上手く行ってくれたらな。。。

シリウス。

お前は、リオンを愛してるのか?」


彼は俺からの質問に何も答えなかった・・・

それが、答えなのかもしれない。。


そう思う俺だった・・・・



当時のシリウスは、丁度シリウスから、

シヴァ神の継承者となり、『シヴァ』と名乗っていた。

だが、俺達の間では

『シリウス』と『ウェルヴィン』

俺達は、同じシヴァ神の異名を持つ。


互いに似たような気が俺には感じられてならなかったのだ。。


(きっと、、あいつも辛い立場なのかもしれない。。

もっと、詩菜との時間が欲しいだろうに。。。)


そう思わずにはいられない俺だった。。


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