第3話 スクスクと成長するチコ

「チコ!チコ!

可愛いなぁ・・・・」

終始嬉しそうなサム。


まだ幼い女の子の頬をツンツンと突いては、笑う女の子をあやして、遊んでいる。



女の子は、『チコ』と名付けられた。


誕生したてなチコを見ながらオニキスは、恋人の彼女に向けて言葉をかけた。

「パティ、おめでとう。

子供が誕生したと聞いてね。

来たんだよ。」


いや、正確には、もう少しだと聞いて、立ち会うつもりだったのにな。。

一足遅かったわけだ。


だが、オニキスは初めから、一歩遅れての面会を考えていたらしく、

彼女が、御霊を分けて誕生させる姿を見られたくはないと・・・


大変な作業らしい。。。


女性は、いつだって、愛する方には綺麗な自分を見せたいのだとか。。。


女心ってやつなのか・・・・



俺は女の子に注目していた。

眠いのか、眠りかけては、サムが突き笑い起こされている。


「どんな子になるんだろうな。。」

ポツリと言えば、


サム「綺麗で可愛いに決まってるよ!!」


直にサムからの『当然である』と言う返事がやって来るのだった・・・



俺は心の中で

(素敵な女性になれよ!)


そう、祝福の言葉を送るのだった・・・



・・・・・・・

何年か後・・・・・・


チコは、スクスクと成長を遂げていた。

それはそうだろうな。


愛情たっぷりな相手が既に側にいるのだから。。。


俺から見れば

(母親の愛より、サムの愛で育っているのではないか?)


そんな風に感じるくらい、チコにべったりなサムだった。。。


「まるで、兄と妹みたいだよな。」


オニキス「決められた相手を目の前にすると、本能なんだろうな。。


まるで、私達のようだ。。。」


オニキスは、静かに自分とパティさんとの関係と同じだと考えているようだったが。


俺には、そんなものじゃない、

何かを感じざる得なかった。



こうして、俺は一旦はお釈迦様の元へと帰る事に。

「良い報告が、できそうだよ。」


サム「ウェルヴィン! いつか、チコが素敵な大人になっても、、

あげないよ!!

覚えておいてね!」



「あぁ、肝に命じとくよ。

サムのものだもんな。。。」


サムはにっこりと、初めて俺に警戒心を解いたかのようだった・・・・・


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