第2話 立ち会い
と言うわけで、地球ではない星へとやってきた。
「やぁ、ウェルヴィンじゃないか!!
よくきたな! ささ、入ってくれ。」
嬉しそうに中へと誘導するこの男。
オニキスと言って、俺とはちょっとした面識有りな者だ。
そして、俺をじーっと黙り見ている、ちっこい男の子。
サム。
正直、俺はこのサムが苦手。
子供だと認識するが、なんか・・・
子供らしからぬと言うか。
そんな感情を抱いているのがわかるのか、俺に対し警戒心を持っているようだ。
「子供が誕生すると聞いていてな。
立ち会うようにと。。」
この言葉にサムが反応する。
サム「誰からの依頼なの?」
オニキス「お釈迦様だろう。」
「そうだ。。。」
サム「お釈迦様って、、偉いのか?」
父親に向けて尋ねるサム。
父は、そんな彼に頷く。
サム「偉い方なのにな、、見る目がないな。。。」
ほら、、やってきたぞ、、子供らしからぬ、、サムだ。。。
俺は、内心ちょっと、びくびくしながららも、サムがどう思うのかが、わかるのだ。
「すまんな、俺みたいなのがな。。。」
そう言うと、やっぱりな答えが返ってくるわけで。
サム「大事な娘が生まれるんだ!
だから、、、大事に見てくれるなら、、いいよ。。」
「あぁ、わかったよ。」
そんな返事しかできない俺。
情けないな・・・・
オニキス「では、行こうか。
取り上げてくれる方々がもう少しだと知らせてくれたから。」
サムは、一目散に自宅の扉をあけて飛び出して行った。
オニキス「すまんな、サムを許してやってくれ。 大事な女の子だと、既に、凄い認識なんだ。」
「あぁ。。見てたらわかるよ。。
俺こそ、すまないな。。上手く言ってあげられずだ。。。
ところで、その女性は?
妻になる方なのか?」
オニキス「ゆくゆくは、そうしたい。
彼女は、グループにいたんだ。
私もだが。。。
知ってるだろう・・・」
俺はオニキスが所属していたグループを思い出した。
確か、親友・・・
その親友を助ける為に共にと・・・
「あのグループに恋人か?」
オニキス「あぁ。 彼女がグループにいられなくなってな。
能力を発揮できないと。
それで、紹介されたこの星に私と一緒にな。。」
「そうだったのか・・・」
オニキス「お前にはいないのか?」
「何がだ?」
「お相手だよ。」
俺は笑ってしまう。
そんな相手なんぞ、、、これまで一度も。。。
だが・・・心惹かれた事は何度か。
成就なんて・・・
夢のまた夢だな・・・・
オニキス「まだなようだな。
だが、いつか巡り合う。
私が彼女と出会ったように。
それが、早いか、遅いかだけだ。
息子は、まぁ・・・
早すぎだがな。。。
先は長い・・・・・
長ければ、厳しいようにも考えるが。
喜びでもあると考えようもできるだろう。」
そうして、女性の自宅前までやってきた。
オニキスが扉を開けると、
生まれたばかりの女の子が
取り上げてくれた方の腕の中で
スヤスヤと眠っていたのだった・・・
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