愛しい心が生まれるまで・・・

中筒ユリナ

第1話 仕事の依頼と子供達との出会い

「ウェルヴィンって言うんだ。

言ってみて、ウェル、ヴィン!」


あの娘は、とっても言い難くそうな表情で

「ウェル・・ヴィ、、ン、、?」


俺は、そんな彼女が愛おしくてたまらなくなり、思わず抱きしめていたんだ・・・




・・・・・・・・・

俺は、ウェルヴィン。

シヴァ神の一部として、誕生し独立した存在だ。


独立していると言っても、呼ばれれば、

いつでも俺の本体であるシヴァ神の中へと入る事ができる。


『本体』とは、ちまたで言われるところの『ハイヤーセルフ』ってところだな。

これから話す物語は、恥ずかしながら、

俺の遥か昔のお話だ。


当時は、今のようにシヴァ神からの独立もしておらず、ただ日々を仕事に追われていた・・・・




・・・・・・・・・

さて、今日も仕事なわけだ。

と言う事で、シヴァ神の住処から、出ようとした時、呼び止められた。


「ウェルヴィン、お呼びだ。」

俺自身でもあるシヴァ神。


「お呼び? 誰にだ?」


シヴァ神は、いいから付いて来いと言わんばかりで俺を促す。


そして、言われるままついて行くことに。



そこは、お釈迦様の住処だった。

「お釈迦様・・?

そんな方が俺になんの用だ?」


シヴァ神「お前名指しでの用らしい。」


「俺にか?」


お釈迦様の元へと行き、対面する。

久しぶりなお釈迦様との対面だが、

やっぱり、圧のある雰囲気は健在なようだ。


お釈迦様は、物腰柔らかい。

だが、そこに騙されてはいけない。

彼は、絶対的な揺るがないような意志の強さ、内面にある何かわからないような、絶対、相手を頷かせるような圧があるのだ。


お釈迦様は、ニコニコとし、俺を迎える。

(相変わらずだな。。その笑顔には、騙されんぞ。。。)

そう思う俺。


釈迦「お久しぶりにございますね。

ウェルヴィン。」


「はい。 大変ご無沙汰しております。

で?、、なぜ私が呼ばれたのでしょうか。 ご要件は?」


釈迦「貴方に立ち会って頂きたく。」


「立ち会うとは?」


釈迦「子供の誕生にです。」


「はぁ? 子供ですか?

何方様のお子でしょうか?」


お釈迦様は、笑顔を崩す事なくあっさりと話すのだ。

「私が・・・いえ、創造の神々が計画し、誕生させた子供達がいる事。

ご存知でしょう。」


「それは、シリウス達の事でしょうか?」


釈迦「えぇ。 彼らとは別に子供達を誕生させています。

そのうちの一人が今日、誕生予定でしてね。

オニキスをよくご存知でしょう。」


「えぇ。 彼には確か男の子が一人、いたはず・・・・。

え?、、もう一人誕生するのか?!」


釈迦「いえ、オニキスではありません。

オニキスのお相手である、ある女性が女の子を誕生させます。

そこに立ち会ってもらいたく。


あと、それよりも前に誕生しています、

神々の子供達がいるはずです。

その子達を順番に周り、成長の様子を記録してきてもらいたいのです。」


「はぁ、それは良いのですがね。。

また、、何を、、企んでます?」


お釈迦様は、微笑み、笑い出すのだ。

「そんなに、警戒なさらずとも。。

これも、世直しだと考えていてくだされば・・・・」


(なに、、考えてんだがな。。。

立ち会って、、俺にどうしろと?

関わらせるつもりなのか?


いや、、有り得ん!

俺は大の子供嫌いなんだ。。。)


そう、当時の俺は、大がつくくらい、子供が嫌い・・・

と言うか、、苦手だったのだ。


どうしていいやら、

接して、関係を築けるなんて、、、


夢のまた夢だな・・・・


そんな俺が、なぜに、、あのお方は、?

疑問だらけな俺だった・・・

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