ドルチェさん、犯人はあなたです。

二十世紀最大の発明品とは、何か知っているでしょうか。
テレビ? 自動車?
いいえ、「無意識」です。

フロイトは「人間には自分では意識していない、隠された心の働きがある」と指摘しました。
そして現代「無意識でやってしまった」などのように、その知識は広く知られるようになりました。

ドルチェさん、あなたは無意識のうちに
「この800字のリポートはイマイチだ」と思っていたのですよ。
本当はリポートを消去したかった。

だが、あなたの心の中には「800字も書いたのにもったいない!」という気持ちがあった。
その消したいあなたと、残したいあなたの気持ちが相克して、
一瞬、記憶喪失状態になったのでしょう。

>犯人は冒頭で登場していなければいけない
それはドルチェさんです。

>未知の力(超自然的な力)
あなたは無意識のうちに自分でタブを閉じていたのです。

今、私もやってみましたが、レビュー投稿画面でタブを閉じようとすると、
小説を書く画面のように
「このサイトを離れますか? 行った変更が保存されない可能性があります」
の注意ウィンドウが出てきません。

カクヨムでは、書きかけのレビューは保存されない仕様なのです。

ドルチェさん、あなたは書き直したリポートが絶賛を受けた、といっていましたね。

では、もしあなたがその800字から発展したリポートを、そのまま掲載していたらどうなっていたでしょうか?
それほどの賞賛が得られていたと思いますか?

確か、作家の新井素子だったかと思いますが、
「原稿が思いもよらない方法で消失してしまった……でも書き直して見たら、この方がずっとよかった……」というエッセイを読んだことがあります。

>頭が真っ白になったあの時、もし書くことを途中で投げ出していたら。こんな素敵なメッセージを頂戴することはできなかった。

その800字のリポートは、修正など加えずに破棄して、イチから書き直したほうが良かったのです。
あなたは、己が為すべきことを知り、その使命に従った。

ドルチェさん、犯人はあなたです。

Q.E.D.
(以上、証明終わり)


……そしてここまで書いて、
「ドルチェリポート消失事件 解決編 ~独白のような物語のような文字の羅列~」
の作品があることを発見した私の立場はいったい……

まあいいや。
せっかく書き上げたから、レビューしてみよう。

バックアップは小まめにね! というお話でした。