レイニーカフェ2

岸亜里沙

レイニーカフェ2

わたしまち片隅かたすみに、あめだけ営業えいぎょうしているカフェがあります。

そのはレイニーカフェ。

ぢんまりとした店内てんないは、とてもレトロでお洒落しゃれ

店内てんないながれるボサノヴァのきょくみみ心地好ここちよく、とてもゆったりとした時間じかんごせます。

あめ仕事帰しごとがえりなどに、足繁あししげかようちわたしはあることがつきました。

このカフェには時計とけいいんです。


「マスター、どうしてこのカフェには時計とけいいんですか?」


わたし会計かいけいさい、マスターにいてみました。


「それは、時間じかんにせずくつろいでほしいからです。あめくらい、時間じかんらわれずごすのも一興いっきょうかとおもいまして」


マスターがわらってこたえると、カウンターせきにいつもすわっている高校生こうこうせいくらいのおんながこちらをきました。


「そっか、そういえばこのおみせって時計とけいいね。何回なんかいてるのに、全然ぜんぜんからなかった」


そうっておんなわらいました。


「やっぱり時計とけいあったほうがいいですか?」


マスターがわたしいてきました。


「いえ。わたしもこのカフェにときくらいは時間じかんわすれたいので、このままでいてください」


「ええ。もちろんです」


「ですが、マスターは時計とけいくても大丈夫だいじょうぶなんですか?営業時間えいぎょうじかんぎちゃったりしないんですか?」


「ああ、よくありますよ。でもそれでいいんです。このおみせわたし道楽どうらくでやってますから」


そうかたるマスターのかおは、きとし光芒こうぼうのようにかがやいています。

わたしはマスターの言葉ことばで、めたようながしました。


仕事しごとでも時間じかんしばられ、ノルマにわれ、かんがえてみると自分じぶん生活せいかつがとても窮屈きゅうくつだとかんじたのです。

あめってかたまるとよくいますが、このカフェにあとは、不思議ふしぎなほど清々すがすがしい気持きもちになれます。


わたし決断けつだんしました。

会社かいしゃめ、時間じかんしばられないかたをしようと。

いまはYouTuberのように、自由じゆうでクリエイティブな仕事しごとえています。人生じんせい一度いちどだけ。何事なにごと挑戦チャレンジです。



カフェをると、わたしまえには、おおきなにじかっていました。

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レイニーカフェ2 岸亜里沙 @kishiarisa

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